検索
 HOME > 硬式野球部

持ち前の明るさでチームを変革した


東京六大学野球 2016〜秋〜  (31)神宮大会前インタビュー 中山翼  

 悲願の日本一へ、柳メイジ最終章開幕だ! 春秋連覇を果たし、またも全国の舞台へ駒を進めた明大。春の全日本ではまさかの初戦敗退に終わったが、秋は打撃力が向上し、第2先発にも星知弥投手(政経4=宇都宮工)が台頭。柳裕也主将(政経4=横浜)に頼らずとも勝利できるほどの布陣が整った。5度のリーグ優勝を経験していながら、一度も日本一を経験していない4年生世代。最後の挑戦で頂点へ上りつめる。
 春秋連覇の裏には陰の立役者がいた。選手たちを支える5人の4年生学生コーチ。その中でも中山翼学生コーチ(政経4=明大明治)はチームのムードメーカー的存在だ。ベンチでは率先して声を出し、中山が取り仕切るアップやミーティングでは笑いが絶えない。あまり注目を浴びることのない学生コーチという仕事について、そして選手たちを一番近くから見る中山だからこそ分かる今年のチームの強さの理由を伺った。(この取材は10月29日に行ったものです)

――今シーズンを振り返っていかがでしょうか
まず、優勝できて本当に良かったです。10連勝を目指していたので悔しさはありますが、辛い練習の成果が出たということなので。秋に徹底したのは、ミスをしたところを居残りで、それこそ4時間くらいひたすらやり続けるっていうことです。学生コーチとして自分も近くでそれを見ていたので、選手たちは他の大学にはない辛さも乗り越えてきたのではないかと思います。(早大戦の後は)あと1勝で優勝というところでの敗戦で雰囲気も決して良いものとは言えませんでしたが、監督が「早稲田に負けても立教戦で勝ち点取れば優勝させてもらえるんだから、1つ1つ勝てばいい」っておっしゃって。春は結構負けていたじゃないですか。負けても勝ち点をしっかり取っていって優勝したので「負けても優勝できればいい」っていうところで切り替えていきました。逆にプレッシャーがなくなって良くなったんじゃないかと思います。

――春秋連覇できた要因は何でしょうか
本当に仲が良いっていうことが最大の要因だと思います。戦力だけでいうときっと去年の方が強いと思うんですけど、仲が良いからこそ厳しく言えるっていうのもあると思いますし、信頼関係で上手く成り立っていると思います。メリハリっていうのも生まれていますね。

――春と秋の違いは何だとお考えですか
やっぱり一番は打力ですね。普段はキャンプの時に特殊な守備練習をするんですけど、今年はそれがなくて。広澤(克実・昭61文卒)コーチとかも招いて打撃練習したり、ずっとバッティングやっていました。立教戦の前からは広澤さんに夜の8時から9時半まで練習を見てもらうようになって、結構調子落としていた選手も多かったんですけど、バットを触れるようになって戻ってきましたね。佐野(恵太内野手・商4=広陵)や川口(貴都外野手・法4=国学院久我山)、萩原(英之外野手・営4=九州学院)もそうです。特に萩原は全然打っていませんでしたが、最後に活躍できて。あれが大きかったかな。(守備よりも打撃)そうですね。でも全体でやらない分、自主的に守備練習をやるっていう選手が多かったので、そういった意味では自覚というのが選手たち自身にも芽生えていたのかなと。やれと言われてからではなく、自主的にやっているっていうのがやる気につながったのかなと。

――学生コーチになったきっかけは
自分は元々学生コーチとかするキャラじゃないっていうか。真面目なタイプではないんですけど、3年のときに飲み会の席で柳(裕也主将・政経4=横浜)が「お前は野球が上手いわけじゃないけど、お前の周りにはいつも人が集まっている。俺の人生の中には今までそんなやついなかった」って言ってきて。「お前にはそれほどの影響力があるんだから、何かチームのために一生懸命になってくれたらこのチームはもっと良くなると思う」って言ってくれて。野球が上手い人はいっぱいいるし、自分の持ち味は何かなって考えたときに、明るさと統率力みたいなのが人よりちょっとあるんで。学生コーチ本気でやってみようかなって思って。普通は学生コーチって、指名されることが多いんですよね。しかも自分の野球人生を諦めるっていうことなんで、やりたくない人って多いんですけど自分は「やらせてください」って立候補しましたね。柳の言葉がきっかけです。

――今年になって学生コーチが新しく始めた取り組みはありますか
新しく始めたことは特にないんですけど、アップの雰囲気はガラリと変えました。アップってやっぱり楽しいものではなくて、しんどい面ってたくさんあると思うんですよ。で、それをいかに楽しくやらせるかっていうのが大事だと思って。面白くやりながらも真面目にやらせるっていうのを自分ができたのが大きいかなと。具体的には掛け声とかですかね。笑いを入れちゃうんですよね。周りから見たらふざけていると思われるかもしれないんですけど、そのぎりぎりのラインでやるのが匠の技です。

――選手からも中山さんの存在で場が明るくなると聞きましたが、大事にしてることは
自分自身を押し殺さないことかなと思います。自分らしさっていうのを人間は絶対持っていると思ってて。それをなんかの影響で出せないのはもったいないかなと思っていて。自分としては明るい人間なんで。このチームは結構しっかりしているチームなので、自分とかが笑いとか出せない雰囲気なんですよねこの野球部。ただ、自分たちの代はそんなの関係なく練習でも笑う時は笑いますし、そういうところを変えましたね。

――普段のお仕事はどのようなものですか
結構分担していることが多いですね。朝のミーティングとかでもキャプテンとかを差し置いて、全部自分で仕切っちゃっています。自分が本当にコーチぶっちゃっているんですよ。偉そうなことを言うとみんなむしろ笑ってくれるので。そういう朝のミーティングとかやって、締めのミーティングもやって、アップも全部自分がやりますし。多分トレーナーが昔は今までやっていたんですけど、全部自分に任せてもらって「これだけやっといて」みたいなことをやっていますね。あとはベンチに入ることですかね。ベンチの盛り上げもそうですし、監督が言ったことはもう頭に入っちゃっているので監督が言われる前に全部自分から指示しちゃおうみたいな感じです。

――学生コーチをやられている中で辛いと思った時期はありましたか
最初の方ですかね。なんでこんなチャランポランしたやつに言われなきゃいけないんだ、みたいな感じがあって、最初は叱ることが難しかったです。言うことはやっぱ聞いてくれるんですけど、本気で言ったら雰囲気が悪くなっちゃうんですよね。ふて腐れながらやってはくれるんですけど。最初はそこが難しかったんですけど、次第に信頼されるようになってきて学生コーチやってくれるんだなってみんなが思ってきてくれて。学生コーチやるなんてふざけているんじゃないかって最初はみんな思っていたでしょうし、その本気がだいぶ伝わって信頼されている証拠かなと思いましたね。(秋のリーグ戦は)きついとか一切なかったですね。楽しんでいました。

――学生コーチをやっていてやりがいを感じた瞬間は
目に見えてはそういうのはないんですけど、自分がよく感じるのは選手と話して直接言われることがあるんですよね。昨日とか二人で吉田大成(内野手・国際4=佼成学園)と飲んでいたんですけど、「お前は野球に対して上っ面な人間かと思っていたけど、結構芯のあるやつだったんだな」とか言われて。いろんなやつに言われますね。言われるキャラじゃないんで、二人きりとかの時しかみんな言わないんですけど。やっと分かってくれたんだなとは思います(笑)。

――春の時点からチームが成長したと感じられた点はありますか
先程も言いましたが、一人一人の自覚ができたかなと。試合に出る責任というんですかね、練習を普段しなかった選手が試合に出るようになって自主練習とかするようになって。それもみんながやっていない時間を見つけてというのがあったんで、そこは成長を感じますね。

――試合に出てない選手もそれぞれの役割を果たしていると聞きました
一番はベンチでの声出しですかね。自分がベンチとかでも無理やり出させているんですけど、名指しで「〇〇いけー!」みたいな。そうしたら、とりあえず試合に出なくてもメンバー替えの時に「ベンチでこれくらい声を出していて、こういう影響を与えていたのでベンチで必要あります」っていうのを自分も言えるので、声出しとかはベンチで無理やりやらせていましたね。

――今年のチームの特徴は
柳を助けようみたいなのが強くて。春は粘りが勝つというのが多くて辛かったと思うんですけど、今季は野手が先に点を取っていたので柳もすごく投げやすそうで。それも柳を助けよう、楽にさせてあげようというのがあったので。柳からも「あいつらが点を取ってくれているから絶対に点を入れさせない」というのが感じられましたね。助け合いっていうか、思いやりが持てるチームなので相乗効果が生まれていたように思えます。

――中山さんにとっての柳選手の存在は
柳はやっぱり大黒柱ですかね。私生活でも試合でも、柳の一言だけで雰囲気が変わりますし。あいつが盛り上がると自分たちも盛り上がろうみたいな、ムードを全て変えてしまうので、そういった面で影響力はあるのかな。

――神宮大会で選手に期待することは何でしょうか
120%のことは出さなくていいので、当たり前のことを、100%のことを当たり前にやってほしいという気持ちですね。

――最後に神宮大会に向けての意気込みをお願いします
やっぱり最後の最後は日本一を取りたいですね。春秋も連覇しているので、自分たちのやっていたことが正しいということを証明したいですね。(それができるチームだと)思いますね。

――ありがとうございました

◆中山翼 なかやまつばさ 政経4 明大明治高出 177cm・78s 学生コーチ

[谷山美海]



●東京六大学野球 2016〜秋〜のバックナンバー

ニュース
 
 この記事へのご意見はこちらからお寄せください。
 今後の明大スポーツ運営への参考にさせていただくほか、ご意見としてご紹介させていただく場合もございます。
 ※必ずEmailアドレスをご入力ください。
 ※htmlタグなど、一部本文中にご利用できない記号がございます。
Email: