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胴上げされる善波監督


東京六大学野球 2016〜秋〜  (34)神宮大会前インタビュー 善波達也監督  

 悲願の日本一へ、柳メイジ最終章開幕だ! 春秋連覇を果たし、またも全国の舞台へ駒を進めた明大。春の全日本ではまさかの初戦敗退に終わったが、秋は打撃力が向上し、第2先発にも星知弥投手(政経4=宇都宮工)が台頭。柳裕也主将(政経4=横浜)に頼らずとも勝利できるほどの布陣が整った。5度のリーグ優勝を経験していながら、一度も日本一を経験していない4年生世代。最後の挑戦で頂点へ上りつめる。
 今季も名将ぶりを発揮した。善波達也監督は今季、春の反省から攻撃的オーダーを組み3年ぶりの春秋連覇に導いた。4年生世代が入学してからの過去8シーズンを見ても5度優勝と、驚異の実績を残している。そんな善波監督に今季の戦いを振り返ってもらった。(この取材は10月27日に行ったものです)

――今季を振り返っていかがでしたか
4年生が柳を中心に試合に出ている人もそうでない人もいい感じにまとまれていた。だから優勝できた、そういうシーズンだったかな。

――優勝の要因もそういったところですか
そうだね。実際に神宮でやっていた星(知弥投手・政経4=宇都宮工)が春よりもだいぶ伸びたのもあるし、吉田大成(内野手・国際4=佼成学園)もよく守って、今打率2位とよく打った。牛島(将太捕手・営4=門司学園)もきちっと守ってくれた。そして今シーズンというと川口(貴都外野手・法4=国学院久我山)、萩原(英之外野手・営4=九州学院)ね。春出てなかった2人がレギュラーになっているっていうのが大きかった。大体同じようなオーダーでシーズンを通して戦えたので、2戦目も勝てるようになった要因だと思っている。

――印象的なゲームはありますか
どの試合も楽には勝てないなという感じなんだけど、一番しんどかったのは立教1回戦。最後までどうなっちゃうか分からないなっていう感じで、試合終わった後の疲れが、早稲田に負けた試合よりもあった。ああくたびれた、勝てて良かったねみたいな。

――3年前の春秋連覇したチームと比べていかがでしたか
その時よりも今年の方が、4年生が伸びていったね。4年生が4年生の時にうまくなりながら戦っている感じが強いかな。打率も3割近くと明治にしては相当高い、多分初めてくらいなんじゃないかな。途中まで3割超えていたしね。川口、萩原といった期待していたバッターが、まあ萩原は最後の方だけいいとこ持っていった感じだったけど、川口はコンスタントに打ってくれたしね。

――全日本で貧打で負けて、攻撃的なオーダーで行こうと決めたのはいつ
加勢(一心外野手・理工4=札幌一)なんて今後から出ていくメンバーの筆頭になっているんだけど、加勢、佐藤(優太外野手・文4=白樺学園)、坂田(純一外野手・文4=倉敷)といった連中には野球続けさせてやりたいから何とかという思いで出していて、もうひとつうまくいかなかった。それで関西国際に負けた後に「申し訳ないけど就活やってくれ」って言って一般で就職活動をしてもらった。そういった中で川口をまたバッターにしたり、萩をもう一回鍛えたり、バタバタっと色々なことをしながら決めた。でも彼ら(川口、萩原)は振れる力はあると前から思っていて、一定の力を出してくれたので、方向的には間違ってなかったのかな。

――川口選手の再転向は監督から提案したんでしょうか
あれは、野球を続けさせるための最終判断の副産物みたいな感じ。春終わって間もなくの時に、企業チームにピッチャーとして練習に参加しに行って、バッティングもいいのは分かっていたので「ピッチングを見てもらうのはもちろんだけど、バッティングも見てもらえ」と言って行かせた。その行った先の監督から「ピッチャーだと社会人レベルだけど、バッターならプロまであるレベルだよね」っていう感想が戻ってきた。結局そのチームには行かなかったんだけど「こうやって見られているんだから最後にバッターで勝負したら」っていう話をしたら、本人が吹っ切れたみたいで、自分は野球続ける道はこれしかないなと思ったんだろうね。迷いなく野手やる感じになったので、それが良かったと思う。その前に野手に転向した時はこっちが転向を勧めて「やれよ」という感じだったんだけど、今回はもう野球続けるにはこの道しかないという感じで取り組めたのが結果につながったんだと思う。

――打撃面で取り組んだことで、これをやったのが良かったということはありますか
下半身の力をしっかりさせて振ろうということを特にやってきて、レーキを振らせたりトンボを振らせたりした。長いものを振ることで、しっかり地面を足で掴まなきゃという感じが少しは彼らの体の中に入ってくれたんじゃないかなというのは感じたね。バッティングの時間自体も長かったんだけどね。取り組むアプローチはそれぞれっていう感じだったけど、レーキを振らせたりは全員にやらせた。

――投手陣は二枚看板がしっかりしていました
もともとね、柳(裕也投手・政経4=横浜)は高いレベルで安定した力を発揮してくれる子で、星がね。春も先発させて、この秋やったような感じを本当は春にやりたかったんだけど。東大戦1発目を見た時に「これは長いイニング放れないな」というのを直感で感じて、春は短いイニングを任せることにした。それで齊藤(大将投手・政経3=桐蔭学園)だとか水野(匡貴投手・農3=静岡)とかを先発にしてという感じだった。そのこともあって星は春終わってからまた1段階取り組む姿勢が上がってね、彼の成長っていうのが2戦目を左右したね。

――夏は星選手に付きっきりだったということですが
結構くっついてたね。だからその弊害で齊藤と水野が駄目になっちゃった(笑)。その分星が良くなったんでね、それはそれで良かったのかなと思っていますけど。指導としては真っ直ぐと変化球の腕の振りが変わらないようにということと、真っ直ぐも三振、空振りが取れるように質を上げるということに取り組んだ。一緒についてたと言ってもやらせたわけではないよ。やつが相当やる気だったんで、それと一緒になって知恵を出し合ってという感じ。1球1球外から見た感じと、やつが投げて感じていることのすり合わせね。「俺今こう見えたけど、体の中はどうだった」とか、「今こうだったんだけどどうでしたか」みたいな。やらせているというより、表から見えている星と、中から出てくる星がどうなのかなという感覚を合わせようとしてきたね。

――優勝インタビューでもほめていましたたが牛島選手の守備は
春よりもボールを止めるのが下手になったね(笑)。ボールに対する反応は春より悪かった。でもベンチを見る回数も減ったし、色んな意味で成長してくれて自立していってる感じは見受けられたかな。キャッチャーがしっかりするというのはやっぱり大事なんでね。

――下級生の活躍はどう映っていますか
下級生で試合に出ているっていうと、佳明(渡辺内野手・政経2=横浜)とか逢澤(崚介外野手・文2=関西)なのかな。佳明はまだまだ取り組む姿勢に合格点は与えられないけど、ところどころいい場面で打ったのは、チームに大きくプラスになったんじゃないかな。やっとチームメートも佳明のプレーでの存在を認めつつあるような感じはある。多分前は「渡辺さんのお孫ちゃんだから監督気を遣って出してんじゃねえの」みたいな感じで見られていたと思う。でもそんなつもりで使ってないから、やつはうちの中じゃ守らせたら大成の次くらいに上手いしね。バッティングでも力はないけど、野球勘みたいな、この場でどんなプレーをすればチームにプラスかなという感覚を持ってできるやつだから、そこに期待して出していたんだけど。ようやくチーム内外で認められるようになったかな。

――4年生世代はどういった印象ですか
今の姿はね、協力し合うというか知恵を出し合うっていうか。自分たちでどうするのが、このチームが勝つのに近づけるかっていうのを、みんなで考えながらやってくれているね。学生コーチが特にそういう話し合いを良くしていてね、近年段々学生コーチの質も上がってきている感じがする。それもきっとこの連覇には大きな力になっているよね。毎年自己犠牲を払って何人かがやってくれているんだけど、先輩を見て「もうちょいこうしよう」っていう意識をすごく感じる。

――具体的に学生コーチの良かったところは
毎日1人1人のスケジュールを見ながら練習を組んでくれているんだけど、時間差がある中で見事にというか無駄がない練習ができている。いつも練習が埋まっているというか、遊びが少なくなっている。ここ(グラウンド)でバッティングやっていたと思ったら、もう少し長くいられる子はもっと室内で打てるようになっていたり、そういうのも振る量が増えた要因だと思う。うまく時間差を活用してローテーションを組んで、俺が指示しているわけじゃないんだけど、工夫してくれて、それがいつの間にか定着している。大したもんだよね。

――今年の体制で始まってから、今のチームになることはイメージできていた
掛け声はもちろん優勝するとか、連覇するとか、日本一になるとかって言ってやるんだけど、連覇できるなんていうイメージは持っていなかった。もちろん目標ではあるけどね。でもいいチームになってくんじゃないかという予感はあったかなあ。学生コーチが早い時期からしっかりしてくれて「こいつら信用できるな」っていう感じになったし、柳ももちろん信頼できたしね。あとは大成が春のリーグ戦前に副キャプテンになって、そこからチームの感じが変わったかな。

――寮生活でも何でも、今年のチームで印象的だったエピソードはありますか
これというのはないね。ないんだけど、ないのがいいのかもしれない。何か頭に残ることって大体良くないことじゃない。でも寮の中で「何だこれああしろ、こうしろバカヤロー」みたいな感じでは言ってない気がするので。

――それは珍しいことですか
珍しいねえ。毎年何かある。大体何かで1回4年生を叱って、もう一回まとまりをつくらせようと思ってやっている。何かを見つけてね。「こんなこともできないのかよ、4年生もっとしっかりしろ」みたいなね。それがないんだよ今年は。

――神宮大会への意気込みをお願いします
4年生世代はリーグ戦勝つの5回目なんだけど、1回も日本一になっていない。4分の0なのね。これはもちろん私にも与えられた大きな課題というか、使命なんだけど。この世代に関しては何としてでも5分の1にして卒業しましょうという気持ちです。頑張ります。

――ありがとうございました

[尾藤泰平]

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