
MUST WIN (16)早稲田に負けた理由 2人のリーダーに問う
※早稲田に敗れ対抗戦3位 桶谷主将「1点差で勝てたゲーム」/関東大学対抗戦(12月4日更新)の記事を踏まえた内容となっています。本記事と併せて、そちらもご覧ください。
桶谷主将「ショットで、という声すらもあの時の僕には聞こえていませんでした」

桶谷は後半23分にトライを挙げた
FWとしては、セットピースとブレイクダウンをもう少し優位に進めたかったなと思います。向こうがその二つにフォーカスして今年1年やっていて、ほとんどFWのところなので。そこでもう少しプレッシャーをかけられたらもっと良いゲームになったかなと思います。
――明治としてもフォーカスしてきた、スクラムで後手に回ってしまったのは
慶応の時もあったのですが、自分たちのスクラムは結構準備していて、でもいざ試合となると一人一人が興奮していつもの練習とは違う状態になってしまう。早稲田の時も、いつも通りのスクラムが組めなくなってしまっていました。早稲田のスクラムは少し特殊ということもあって、それに対して自分たちはヒットしてしっかり低く我慢するスクラムをしようと言っていましたが、そこがうまくできずに向こうにペナルティーを取られてしまいました。練習でやったことを試合で出せるように、動作の確認とかそういうのを文字に起こしてしっかりやっていかないといけないです。
――自分たちから崩れていってしまったと
向こうが内に組んでくるのはわかっていたけれど、というところです。組む前からしっかり、バインドの時点で体重をかけてヒットも勝ってしっかり沈めばいけるという風にやってきてはいました。ヒットのところとその沈むところとかいろいろなところがちょっとできていなくて、あのようになってしまったと思います。
――相手が早稲田だから、うまくいかなかったというのはありますか
少しはあるかもしれません。まあもちろん意識するところはあるだろうし、春も早稲田相手に良いスクラムを組めていなかったので、FWとしては絶対やってやろうと思う気持ちはあったのですが。
――最後にクイックを選択した場面について、今思うことはありますか
どうしてとかじゃなくて本当に自分がパニックで、あの時周りはショットと言っていたんですけど、自分の中ではなぜかゴーしか選択肢がなくて。ボールを取り返そう取り返そうという意識が、あのディフェンスの最中にずっとありました。それで「ボール取れた、アタックいかなきゃ」という感じで、本当に自分がパニックだっただけだったんですけど。焦っていたというのもあるし、観客もいっぱい来ていて興奮していたというのもあると思います。でも行ったからにはやっぱりやり切らないといけないなと思いますし、その選択を選んでしまった以上はしっかりやり切らないといけないなと思いました。
――周りからショットでという声はあったのですか
そうですね。そのショットで、という声すらもあの時の僕には聞こえていませんでした。なんでかわからないですけど、あの時はゴーしか考えられなかったです。
――ありがとうございました
◆桶谷宗汰(おけたに・そうた) 営4 常翔学園高出 178p・99s
ブレイクダウンで強さを誇り、1年次からAチームでの出場を経験してきた。今季の対抗戦はケガにより慶応戦、帝京大戦を欠場。復帰戦となった明早戦では、後半23分にトライを挙げた。高校日本代表、U20日本代表。
梶村「後悔は多少していますが、次に引きずるとかはないので切り替えていきます」
――明早戦を改めて振り返っていかがですか
やっているラグビーはそこまで悪くはなかったと思います。ただ、前半もゲインライン切った中でスコアにつながったのは一本だけ。あの試合はスコアにつながる部分が最後は反則やミスで終わってしまっていたので、次の試合までにしっかりスコアにつなげられるようにと、今日もチームアタックの時間をかなり長く取って練習しました。
――個人的にはどうでしたか
個人的には調子も悪くなくて、目立ったミスは最後の僕が蹴ってしまったところ。あそこはまだ自分のラグビー感というかラグビーをまだまだ理解できていないと思ったので改めて修正していきたいです。ただ、それ以外では中野君(早稲田・左センター)のところでゲインラインを切れていたので、悪くはなかったと思いますね。スタンドオフと12番は狙っていたのでそれがうまくいったのかなと思います。

中野(早稲田)のタックルをかわす梶村
今日の練習は、多少雰囲気は悪かったです。引きずっている選手もいるのかなと思います。引きずっている選手がいるだけでチームの雰囲気が悪くなると思うので、そういった選手の不安を取り除くのが4年生や僕と古川(満・商3=桐蔭学園)の仕事だと思うので、しっかり話していこうと思います。
――下級生が引きずっているのですか
いや、下級生より上級生の方が引きずっていると思います。やっぱり明早戦という重みを知っている選手がかなり落ち込んでいるのかなと。僕はそんなに落ち込んでいないですけど。4年生だろうが3年生だろうがしっかり言っていこうと思います。
――ラストプレーの選択はやはり悔やまれますか
そうですね。これからのことを考えるならショットを選ぶべきだったと思います。FW勝負を挑んで取りきれなかったのは、僕たちの力不足だと思っているので、悲観することなく次につなげていこうと思います。もし次あのような場面があればしっかりショットを狙うという。負けて学ぶのではなくて勝って学びたかったですけど、しっかり学べたので次につなげていこうかなと思います。ああいう大舞台だとイケイケムードになってしまうと思うので、いつもの自分を取り戻せるようにやっていきたいです。
――あの瞬間は、慶応戦のロスタイム逆転の場面を思い描いていたのでしょうか
そうですね。それがよぎったのではないかなと僕は思います。悪い選択ではなかった。悪いって言う人もいますけど、明治らしいって言ってくれた人もいたので、後悔は多少していますが、次に引きずるとかはないので切り替えていきます。
――ありがとうございました
◆梶村祐介(かじむら・ゆうすけ) 政経3 報徳学園高出 180p・95s
今季3年生ながらBKリーダーを務めている。報徳学園高時代には『西の怪物』として花園で注目を集め、日本代表候補強化合宿練習にも召集された。明早戦には3年連続のスタメン出場。U20日本代表。
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