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4年間の経験を日本一へ生かす


NEW MEIJI  (1)「ここから新しい明治を積み上げ優勝します」 丹羽政彦監督  

 新たな時代の幕開けだ。無念にも全国大学選手権初戦で京産大に敗れ、屈辱のシーズン閉幕となった昨年。雪辱を誓い新たに掲げた今年のテーマは「NEW “MEIJI”」。古川満主将(商4=桐蔭学園)と梶村祐介(政経4=報徳学園)を主軸に、FW・BKともに日本一の軍団を目指し、選手権優勝奪還に燃える。本企画「NEW MEIJI」ではチームを日本一へ導くキーマンを1年間に渡って紹介していく。
 第1回は、今年で監督就任5年目を迎える丹羽政彦監督(平3文卒)だ。選手に求めるものは、技術・プレーだけでなく「自主・自立」の精神。練習から選手に寄り添い、ラグビーだけでなく私生活に至るまで目を向ける指揮官に今シーズンに懸ける思いを伺った。(この取材は4月11日に行ったものです。)

――監督を務め5年目を迎えて
 明治のラグビー部としての文化はできつつあると思います。学生時代にラグビーとしっかり向き合い、自主・自立をして人間成長して、社会人になってさらに成長するというのが私の指導のキーワードの一つにあるので、チームで決めた約束事、個々人が成長する上で必要なことを意識して1日を常に大事に過ごす指導をしています。明治は時間との戦い。照明設備が無く早朝6時台から行う全体練習を本当によくやっている。練習時間の拘束時間を授業とのバランスで選手が自らつくりだし、個人スキル向上やウエイト時間に費やし、プレーヤーとして成長をしていると思います。就任時は監督として指導経験はなかったです。この4年で自分自身も成長できたのでそれらを学生にも落とし込んでいます。

――改めて昨シーズンを振り返って
 根本的にはスタッフの問題だと思っています。一昨年は明治スタイルが確立された中で、昨年は新たなやり方を模索してしまい強みがなくなってしまった。結局学生自身も明治のラグビーを語れなくなっていました。慶応戦までは修正できていたものが結果的には早稲田に負けて、京産大にあのような形で終わってしまいました。

――昨シーズンから生かせることとは
 まずはやるべきことを整理して、もう一度何を持ってラグビーをつくるのか。昨年はファンダメンタルスキルが向上しない中で形作りに時間を費やし過ぎた。ファンダメンタルスキルアップ、フィジカル&フィットネスの大きな向上、ここが春の目標。体を大きくして走れて、基礎的な部分でどの大学よりも優位に立つことです。それから、本家本元のスクラムへのこだわりです。

――昨年一番印象に残った試合
 慶応戦くらい。前半の戦い方ができていない分を後半に立て直せた試合でした。帝京大学ジュニア戦のぼろ負けをしてから、9月後半〜10月いっぱい、単純に走ってコンタクトをしっかりやったから、ラスト20分選手が走り切れた。その頑張りで、明治にスコアを手繰り寄せることができたと思います。

――オフシーズンで行ったこと
 大きな4年の節目だったので、ここからが大きなステップにしないといけないと思って次に向けてどういった形で進めていくのか、スタッフをどうするのかということを考えました。選手は体づくりをまず行いサイズアップをすることに。S&Cコーチである藤野コーチに12月から来ていただいて、非常に右肩上がりの成長を遂げてもらっています。慌てても仕方がないので、ラグビースキルではなく体をつくるだけに集中しました。休みも今までで一番多く取りました。休みと言ってもあくまで「リフレッシュ」。各人で自主トレーニングをしていましたし、食事も考えながら摂取するようにしていました。その中で「マインドセット」をしっかりして自分で1日の時間を考え行動するようになっています。4月の休み明けには7割の選手が1キロのフィットネスタイムを更新しました。自分たちが望んだ「リフレッシュ」へのアプローチを選手がしっかり応えてくれたと思います。

――コーチ陣が入れ替わってチームに変化は
 私が選手たちに常に言っている「自立と自覚」をさらに成長をさせるべく、田中ヘッドコーチ、元コンタクトコーチの滝澤FWコーチ、富川アシスタントコーチは、常に「マインドセット」を意識させてくれています。自分自身でラグビーを考えて創造すること。今年の『NEW “MEIJI”』にも表れています。あとは全てにおいてのコミュニケーション向上。今年は学生間で話をすることが新チーム始動から多い。東日本セブンズの時も一番良かったのはディフェンスのコミュニケーション。田中ヘッドコーチが前日に「ディフェンスラインを切らないようにディフェンスをしよう」と言っただけで、良いディフェンスができていました。とにかく明治は練習時間をどのようにつくり出していくかだと思います。日中や夕方から長時間練習を実施している他の大学と、明治は朝5時台に起床して6時台からスタートして8時に終わる全体練習。週末に行われる日中の練習とは明らかに体の状態は違いますし、気持ちも違います。特に、秋の11月を超えると寒さや薄暗い中での練習開始。それでも選手は志を高くして自分を鼓舞して取り組んでくれています。選手は立派だと思います。

――今年からFW・BKリーダーをなくした理由
 必要ないと思ったからです。今年は古川と梶村ができるから心配ないです。二人とも1年生から試合に出て、ラグビーも客観的に見ることができるし、発信能力も十分にある。誰が見ても存在感がある二人なので。それ以外には細かいリーダーを設置して、より詳細に学生間でチェックできるようにしました。組織はこれから動かしますが、役割は決めています。上級生が上に立ってさまざまなゲームでの局面を切り取って行うことで各人が確認して全員で共有していくつもりです。

――古川主将と梶村副将にそれぞれ求めること
 古川には強いFWを求めるために自分で率先してプレーをして体現していくことと、チームの雰囲気を見てまとめていくことです。梶村は間違いなく明治のキーマンでマークもされてしまうでしょう。その中でいかに冷静な判断ができるかが今年1年のテーマだと思います。1カ月ニュージランドでもまれて成長して帰ってきたので、メンタリティーもスキルも今年1年で大きく成長していくと確信しています。
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試合を見守る丹羽監督

――3年生のリーダー役は
 学年リーダーは福田(健太・法3=茗渓学園)で、練習で引っ張っているのは松尾(将太郎・商3=東福岡)ですね。他にも高橋(汰地・政経3=常翔学園)も非常に良い。東日本セブンズで秩父宮初デビューを飾った宮嵜(永也・営3=長崎北陽台)も頑張ってくれています。FWはほぼ新しいメンバーで挑むので、みんな必死にメンバーに入ろうと努力をしています。齊藤(剣・政経3=秋田県立能代工)と船木(頌介・政経3=秋田工)もU20代表メンバーに選ばれて実力もありますし、祝原(涼介・情コミ3=桐蔭学園)も昨年は細かいケガが続き本来の力の半分も出していなかったですが、今年は調子もかなり上がってくると思います。2年生もかなり練習から突き上げているのでそれにプレッシャーを感じているといった感じです。正直秋には誰が出るか分からないくらい全員が頑張っています。

――毎年秋にケガに悩まされているが
対策は常に考えています。4年間見てきて思ったのは、要因としてフィジカルがまだまだということで、そこを選手たちに意識させることです。それとしっかりとしたファンダメンタルスキルを確立させること、今年はそれができつつあります。問題はケアとの兼ね合いです。学生の1日の時間がタイトなので、その中でケアを削ってしまってケガにつながってしまいますので、今はマニュアル本を作って各人に渡し、時間をつくり出して各人がケアやプレリハをするようになっています。明治は24時間の中で、トレーニング、授業、体づくりを考えた食事摂取、体のケア、睡眠と平日はあっという間に1日が終わってしまいます。

――明早戦の伝統の変化を感じているか
 変化は感じない。早稲田戦はいつも一緒。ラグビースタイルは、早稲田は変われど明治は変わらない。ただ、賢くラグビーをしなくてはいけない。最後の選択は「PG」が正しい。あの判断を学生がしたのは私の指導の問題です。1点差でも勝つことが重要。スクラムはキーワードになっていますが、昨年はスクラムがどんな相手の組み方にも対応できるほど完成していなかった。FWが強くなければBKまで球が回らないので、今まで以上にこだわっていきたいです。明治といったら「スクラム」。まあこれは北島先生が残してくれた明治の大事な「伝統」だと思います。

――春の一番のテーマ
 体づくり、スクラム、ブレイクダウン、ディフェンスにフォーカスをして、アタックもある程度は決めますが、具体的には秋から始めようと思います。

――春に期待できる選手
 メンバーが固まるのは12月だと思っています。それまで選手全員にチャレンジをさせていきます。11月にさらなる成長曲線をジュニア選手権と対抗戦の試合で描くことで、全員が互いにモチベーションを高く持った上でシーズンが進むことと思います。

――スローガンである『NEW “MEIJI”』とは
 古川主将を中心に今年の4年生が決めました。やるべきことは変わらないが、マインドセットして各人が生まれ変わるための新たな「自分づくり」であると思います。「覚悟・創造力・Plus1」。この1年間、意識を持ち続ければ結果はおのずと付いてきます。

――チームの特徴
 一昨年のチームに似ています。4年生の会話が常に前向きでチームに対する強い気持ちがある。一対一の強さ、ディフェンス力、スクラムのまとまりは上になると思います。一昨年からBKは「大学ナンバーワンBK」を目指すように私が言っていますから、高い意識で練習をしています。今年は、やはり明治ですから「大学ナンバーワンFW」になるべく準備をしていきます。FWメンバーも本当にきついことを選択して練習してくれています。地道なこの練習が秋には必ず結果に出ると私は思っています。

――今年の目標
 大学選手権優勝。先日の東日本セブンズで、初のタイトルを獲得でき良いスタートが切れました。勝ちたいし、勝たなければいけない。セブンズ決勝の最後ボールを取られても、選手の勝ちたいという強い気持ちが勝利につながったと思います。1回戦で勝った拓大はコンソレーションで優勝しているので、拓大といっても弱い相手ではなかったですし、大東大、流経大、東海大に勝ったというのは明治のマインドが変わった証拠。ここから新しい明治を積み上げ優勝します。

――ありがとうございました

◆丹羽政彦(にわ・まさひこ)平3文卒
 監督として就任5年目を迎える。現役時代のポジションはウイング。大学時代は吉田義人前監督と左右のウイングコンビとして活躍し、1990年度の大学選手権優勝に貢献した。北海道出身。自宅が札幌で、現在はラグビー部の合宿所に住み選手と共に生活を共にする。


[長谷川千華]


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