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練習からマインドセットに重きを置く


NEW MEIJI  (2)「マインドセットで明治は勝てるチームになる」 田中澄憲ヘッドコーチ  


 新たな時代の幕開けだ。無念にも全国大学選手権初戦で京産大に敗れ、屈辱のシーズン閉幕となった昨年。雪辱を誓い新たに掲げた今年のテーマは「NEW “MEIJI”」。古川満主将(商4=桐蔭学園)と梶村祐介(政経4=報徳学園)を主軸に、FW・BKともに日本一の軍団を目指し、選手権優勝奪還に燃える。本企画「NEW MEIJI」ではチームを日本一へ導くキーマンを1年間に渡って紹介していく。

 第2回は、今年度より新任した田中澄憲ヘッドコーチ(平10文卒)。昨季サントリーサンゴリアスでチームディレクターを務め、日本一へと導いた手腕家が明治の立て直しに一役買う。今季初の公式戦である東日本大学セブンズ選手権でも優勝と着実にチームを変化させている新生指揮官に、今シーズンへの意気込みを伺った。(この取材は4月29日に行ったものです。)

――ヘッドコーチに就任した経緯を教えてください
 丹羽政彦監督(平3文卒)の方からお話をいただきました。僕自身サンゴリアスで引退してから6年スタッフをずっとやっていたので、一回外に出てみたいというか違う挑戦というのをしてみたいなと考えていたんですね。そのタイミングで丹羽監督からそういうお話をいただいたので、チャレンジしてみたいなと思い引き受けました。

――チームの現状はどう見ていますか
 2月28日に最初のキックオフミーティングをして、その時に選手には1年間の強化のプランをしっかりと話をして、春のシーズンは試合どうこうではなくて個人のベースをアップするということとFW・BKのベースアップをしっかりやっていくという話はしました。そういう意味では段階を踏んでこちらが示したことに対して選手も応えてくれているので、少しずつですけど良いものが積み上がっていると思います。

――今の明治の課題は
 もっと一番に選手が主体的になるべきだなというのは思います。明治の選手は他の大学と比べると能力の高い選手が多いと思います。ただやっぱり悪い言い方をすると大学に入って明治大学に来て満足してしまっているというふうには最初感じました。それで最初にマインドセットのところの話を選手にしたのですが、まだまだそこはやっていかないと思っています。だからそこができたら明治は勝てるチームに変われると思います。自分にとってラグビーというものが何なのかというのをもっと考え、本当に勝つためには1日の使い方をどうしないといけないのかとか、選手同士のコミュニケーションとかをもっと選手が考えて主体的にやっていかないといけない。やっぱり日本一を経験しないと分からないと思うけど本当に大変なことで、日本一になるためのところって最後はスキルとか戦術ではなく選手の内面から出てくるもの。それによってチームが一つになるというのが一番大事なので、それを今の明治は変えられるかどうかというところだと思います。

――実際グラウンドに来て、明治の選手の印象は
 単純に能力の高い選手が多いなと思いました。良い選手が多いなと。思っていたよりもそう思いました。その上しっかりできるというか、フォーカスしたことに対してできるようになる時間が早い。だから良い選手なんですよ。良い選手がそろっている。でも反面、受け身というか主体性というところは物足りないなと思いますね。

――現在の選手との関係性について
 今それを築いているところで、これから試合が始まってくるので試合が始まれば一人一人のプレーのフィードバックだったりとかもやっていくようになると思うので、またもっともっと良いコミュニケーションができるようになると思います。今はリーダーとコミュニケーション取ってやっていますけど、良いのかは分からないですが言われるのを待っている感じなのかなという。あまりぐいぐい来ないですよね。すごく性格も良いし、本当にすごく良い子が多いなと思います。そういう意味ではもっとこっちからコミュニケーションというか、少しずつプライベートなところにも入っていって良い信頼関係をもっと築いていきたいなと、まあ築いていかないといけないなとは思います。

――今現在の選手に対する評価をお願いします
 この2カ月くらい本当にハードなトレーニングをやっています。やっぱり他大と違って限られた時間でやらないといけないので、短い時間ですけどラグビーをやっていますしそこで疲れる部分もあると思いますが、選手はよくやっていると思います。実際それがみんな体に表れて数字にも出てきているので。すごく提供されたことに対してよくやっているなと思います。ここから先は自分たちで意欲的にやっていくかというところです。来た時にびっくりしたのがFWがあまりにも軽いというか、よくこれでFWやっているなという感覚だったので、やっぱりそこは課題があるなと。明治といったらFWという看板があるのにそこはすごく問題というか、チームのスタイルというか文化が無くなってしまったのかなと思いました。今はそこをすごくやっていて食事の意識というのも高くなりましたし、みんな急激にでかくなりました。

――チームの雰囲気はいかがですか
 例えば東日本セブンズは勝ちましたけど、本当に準備としては1日前しかやらなかったので、それである程度結果として表れました。だから春の1カ月やった積み上げがそこに対して試合の準備はしていないですけど表れたというのは、やっていることが良い方向に進んでいるんだなと選手も感じてくれていると思います。この前のオール早慶明でも例えば慶応戦ではスクラムがしっかり押せていたし、そういう意味では本当に選手も今やっていることに対して結果が出ているのですごく良い方向には行っていると思います。僕らも選手がそうやってパフォーマンスしてくれているので今のプログラムで間違っていないなと。やったことがしっかり結果につながっているので、焦りもないですし雰囲気も良いと思います。

――就任直後からチームに変化はありますか
 一番変わったのはやっぱり体づくりの意識が高くなったというのがすごくあると思います。あとは練習中にもっと選手たちでコミュニケーションを取れというのを言っていて、少しずつですけど小さなコミュニケーションというかトークが増えてきているので、マインドを少しずつ変えたいんだなというのは感じますね。選手はやっぱり変わりたいというふうに思っているのはすごく感じます。ただまだまだです、もっと変わります。
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選手とのコミュニケーションを大事に指導を行う

――今年のチームの方針は
 今年は強いセットプレーです。要はスクラムとかラインアウトとか、特にスクラムですね。どのチームも今はスクラムを強化していますがその部分も明治のこだわりだと思うので、そこはしっかりやっていきたいと思います。あとディフェンスというのを今はそこまでやっていないですけど勝つためには必ず必要なものなので、ディフェンスというのもしっかりと強みになるようなプランは考えています。あとは攻守の切り替え。例えばラインブレークの時に去年は歩いている選手も多かったです。選手にもこういうチームだよってビデオで見せました。ピンチの時に歩いている選手がいて、それって結局スキルではなく取られたくないとかここ守らないといけないとかそういうマインドの部分が大きいので、そこはしっかりとやっていきたいなと思います。なのでこの三つですね。

――今の明治に求められるご自身の役目は何だと思われますか
 ヘッドコーチである以上は大学日本一を目指すチームをつくらないといけないので、そこは大前提というか一番の目的、責任だと思うのでそこをコミットしていくというところ。あとはやっぱり僕も明治大学ラグビー部のOBで選手は後輩になるので、後輩として学生生活を楽しむというのも一つだし、ラグビーをやり切るという部分を教えてあげたいです。この4年間を終えてその先もやれるやつもいますけどそこでラグビーが終わってしまう子もいるので、そういう子はそういう子で4年間やり切ったことは次社会人になってからにつながると思います。次に向けてチャレンジできるチャンスがある子は将来日本代表とかを目指してやってほしいと思います。やっぱり日本一になるというのは本当に難しいことだけど、なったら世界観というか価値観が変わると思います。日本一になったチームとなっていないチームとで周りの見る目も違うし、そういうのを経験させてあげたいです。本当になかなかないしできたら幸せというかうれしいことなので、みんなはそのチャンスがある。なのでそこをもっともっと教えてあげたいなと、そこをサポートしてあげたいなと思います。

――ヘッドコーチとしてどのようなチームをつくっていきたいですか
 もちろんもう一回明治といえばFWというチームをつくりたいですし、常に優勝を争えるチームにしたいなと思っています。日本一奪還というのはもちろんですけど、それ以外にもそこを戦えるというか常にその場にいれるチームにしないと駄目だと思うので、要するにそこを争えるチームにしていきたいなと思います。

――選手に求めることは
 下手くそでもいいから一生懸命にやるということ。下手くそじゃ本当は駄目なんだけれども、でもまあ1年1年やり切ってほしいなと思います。どんな結果であれ、1年間やった、やり切ったということを思えるような時間にしてほしいなと思います。それが一番だと思います。それをやることによって結果が付いてきたら最高ですし、たとえ結果が付いてこなくても何か得るものは絶対にあるので。それが中途半端だったら絶対に何も得られないので、そこだけですね。なのでそこをしっかりサポートしていきたいなと。もちろんそういう環境というかそういうチームをつくらないといけないというのはありますが、でもやっぱりやるのは選手ですからね。

――今年1年間の目標をお願いします
 目標は大学日本一ですから、それはもう明治である以上変わらないと思います。あとは自分の中では選手の成長です。ラグビーだけではなくマインドの部分の成長。4年生は卒業しますけど3年生以下は残るので、成長すればそれがベースになると思います。そしたら次の年はもっと進化できると思います。なのでそういう部分が成長していけば明治の文化として残っていくと思うので、そういうものを作っていきたいなと思います。

――春季大会に向けてはどうでしょうか
 もちろん全部勝ちたいです。でも、そこだけ見るのではなくてやってきたことがいかに結果として表れているかというのを見るのと、あとは選手の競争を仰ぐというところ。固定するのではなくいろいろな選手をもちろん良い選手、ちゃんとしっかりやっている選手を見極めて使っていきたいと思います。競争させながらシーズンの最後ファイナルに出るような選手を見極めていきたいなと思います。

――最後に抱負をお願いします
 本当に伝統ある明治大学の責任あるポジションに着任できたというのはすごく名誉なことなので、その分責任も重いですしそこに100%コミットしていきたいなと思います。あとはこれは自分にとっても人生の中ですごく良い経験になると思うので、自分自身も学生と一緒に大きく成長したいなと思います。

――ありがとうございました

◆田中澄憲(たなか・きよのり)平10文卒
 今年度よりヘッドコーチに就任。在学時の4年次には主将も務め、卒業後はサントリーに進み主将も任された。2005年には7人制日本代表に選出され、ワールドカップにも出場。2010年度に現役を引退し、2012年度からはサントリーのチームディレクターに就任する。2016年度にはトップリーグ、日本選手権と2冠達成を支えた。


[石塚真維]


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