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取材に応じる渡邉


ボールパーク便り  ルーキー特集(4) 走攻守でチームを救う 背番号8のその先へ 渡邉涼太  

 毎年恒例の硬式野球部ルーキー特集。今年も全国からトップレベルの選手が入部してきた。その中でも活躍が期待される注目の選手を全8回にわたって特集する。
 持ち前のスピードでダイヤモンドを駆け抜ける。1年次春からリーグ戦出場を果たした渡邉涼太(商1=広陵)は、50メートル5秒8の快足の持ち主。高校時代は、春のセンバツ優勝3回、夏の選手権準優勝4回を誇る名門・広陵で3年間汗を流した。最上級生となった新チーム発足時に投手から野手へと転向。俊足好打を武器に170人近くいる部員の中でレギュラーの座を勝ち取った。母校は今夏、全国準優勝。中村奨成選手が一大会6本塁打を放ち、清原和博氏の持つ一大会個人最多本塁打記録を32年ぶりに塗り替えた。甲子園を沸かせた後輩たちの活躍を刺激に、大学の舞台でもレギュラー定着を目指す。

 渡邉の野球観を変えたのは名将との出会いだ。元々は広陵でない別の高校への進学を考えていた渡邉。そんな時、知人を介して一度体験練習に参加する機会を得た。そこで出会ったのが、27歳の若さで同校の監督に就任して以来、28年間広陵高を率いている名将・中井哲之監督だった。「この人の下で野球をやりたい」(渡邉)。話をする中で中井監督の人柄にほれ込み、広陵高入学への決意を固めた。
 「人として正しくあれ」。中井監督は常にその言葉を胸に選手と接してきた。高校3年次、渡邉は打撃の調子を崩し極度のスランプに陥った。技術の不調は心の不安定さを招き、気持ちも下降気味に。野球に身が入らない日々が続いた。ある日の試合前、監督は渡邉を呼び出し、こんな言葉を掛けた。「これだけ部員がいる中で名前を呼んでもらえて、怒られることは幸せなことなんじゃないか」(中井監督)。約170人という部員の中で試合に出るというのは相当な狭き門。監督に直接言葉を掛けてもらうことさえ難しい。中には選手として入部したものの、自らの限界を感じ学生指導員という立場で、部員のサポートに回る人もいる。そんな厳しい環境での監督からの叱咤(しった)は期待の表れ。試合に出ることも、日々気を配ってもらえることも当たり前ではないのだと気付かされた。最後の夏、試合に負けて引退が決まった時。「応援してくれた人やサポートしてくれた人に申し訳ない」と共に汗を流した仲間を思いやった。野球の技術はもちろんのこと、それ以上に大事な人間力を3年間で培った。

外野のレギュラー争いに名乗りを上げた
外野のレギュラー争いに名乗りを上げた
 大学トップクラスのプレーに衝撃を受けた。「広陵からも多くの先輩が進学していて、プロに一番近いから」。明大を志したのは、そんな単純な理由だった。8月に行われた明大での体験練習。高校生ながら、ずばぬけた走力や肩力を持っていた渡邉は「大学生にも負けないんじゃないか」と自信満々にグラウンドへ。守備練習で同じポジションについたのが、二つ上の先輩・逢澤峻介外野手(文3=関西)だった。この年、逢澤は2年生ながらすでにレギュラーとしてリーグ戦優勝を経験。さらには、ベストナインにも選出された逢澤の「高校生レベルでは見たことのない」プレーに度肝を抜かれた。大学野球の第一線で活躍する選手のレベルの高さを肌で感じた。「この人みたいになりたい。この人の近くでプレーするのが自分にとって一番」(渡邉)。理想とする選手との出会いが明大進学への思いをより強くした。

 一番近くに良きお手本がいる。普段の練習や自主練ではなるべく行動を共にし、逢澤の全てを吸収。守備に就いている時は分からないことを積極的に質問し、時には逢澤の方から率先して教えることもある。トレーニングの時も手を抜かずストイックに自分を追い込む姿を目に焼き付けている。野球に対する考え方から取り組む姿勢まで。あらゆることを日々学んでいる。
 先輩からの激励は心の支えだ。二人きりで室内練習をしていた時。自身が明大に進学した理由を話した渡邉に逢澤は「お前は俺以上の選手になれるポテンシャルがある。現状に満足せずに頑張れ」とハッパを掛けた。「もっと頑張らないと」(渡邉)。初めて掛けられた先輩からの期待の言葉は渡邉の心に火を付けた。その日以来、より一層自分に厳しい練習を課すようになった。目標とする選手と同じ舞台に立つためには、一日も無駄にはできない。
 
 「走攻守でスピードが大事」(渡邉)。走塁でのスピードはもちろんのこと、打撃ではスイングスピード、守備では一歩目を踏み出すスピードや素早く落下点に入ることのできる走力、全てにおいて速さが重要となってくる。理想とする逢澤もこれらのスピードを持ち合わせており、渡邉にもそのポテンシャルはある。「スピードには自信があるので、まずは守備や走塁で(逢澤を)超えられるように」。走攻守、三拍子そろった野手の要へ。抜群のスピードを兼ね備えた明大の韋駄天(いだてん)から目が離せない。

[桐山雄希]

◆渡邉涼太(わたなべ・りょうた) 商1 広陵高 175p・75s 右/右 外野手
「俳優の市原隼人さんに似ていますね」と声を掛けると「よく言われます(笑)」と爽やかな笑みを見せた渡邉。野球部屈指のイケメンは、その甘いマスクでも観客を魅了すること間違いなしだ。
次回のルーキー特集は8月25日(金)清水風馬捕手(商1=常総学院)です。お楽しみに。



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