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取材に応じる入江


ボールパーク便り  ルーキー特集(8) 3874校の頂点に立った男 エースとして日本一へ 入江大生  

 毎年恒例の硬式野球部ルーキー特集。今年も全国からトップレベルの選手が入部してきた。その中でも活躍が期待される注目の選手を全8回にわたって特集する。
 全国制覇を成し遂げた男が神宮の舞台に挑む。昨夏、名門・作新学院高を54年ぶりの甲子園優勝へ導いた入江大生投手(政経1=作新学院)。昨年の甲子園では大会史上7人目となる3試合連続本塁打を始め、打率3割6分8厘を記録するなど、日本一の立役者となった。だが大学では高校3年春の県大会まで務めていた投手で挑戦。身長187cmと長身で柔軟な体を生かしたフォームで、最速148qの重さのある速球とキレのあるスライダーで打者を打ち取っていく。

 あの夏、ファーストから歓喜の輪に加わった。54年ぶりに夏を制した強力打線をけん引していたのが右の長距離砲・入江。甲子園の土を踏むと準々決勝の木更津総合戦で、早川(早大)から史上7人目となる3試合連続本塁打を放ち、世代を代表するスラッガーとなった。野手として華やかな成績を残した入江だが、高校3年次の春までつけていた背番号は「1」。「今井(達也・埼玉西武ライオンズ)が投げた方が試合に勝てる」ことから打撃力もある入江は投手から野手に専念。エースを譲ることに「葛藤はなかった」。ベンチ外の選手の思い、そしてチームの勝利のため。野手としてチームに貢献する入江に迷いはなかった。
 しかし、その理由だけが入江の気持ちを固めたのではない。「あいつの成長が自分の成長を大きく促した」と常にライバル関係としてやってきた今井の存在が大きかった。恩師である小針監督(作新学院)は入江には「今井に負けるな」、今井には「入江に負けるな」と2人への意識づけを日々していた。投球練習では隣で今井が投げる時には「あいつが投げ終わるまでは終わらない」と対抗心むき出しで緊張感のあるブルペンをつくった。チーム内でも一目を置かれる2人のライバル関係はお互いの大きな成長の要因に。ライバルとして成長していく今井を一番近くで見ていたからこそできた野手専念の道だった。

 全国制覇まで決して順風満帆ではなかった。秋は今井がエースとして県4強、春は入江がエースとして県8強。関東大会にも出場していなかった。夏の大会は甲子園出場どころか、栃木県6連覇のかかるプレッシャーもあり「授業に集中できなかった」。しかしそのプレッシャーに勝ったのは同期への思いだった。夏の大会前、メンバー外の選手からメンバー入りの選手に向けて思いを伝える時間が取られた。一人一人の思いを受け取り「俺らがあいつらの分まで頑張らないといけない」。夏の栃木大会の打率は5割7分5厘をマーク。仲間の思いをバットに込めた結果だった。
 
 わずか3カ月の期間で全国レベルの打者になれたのには秘訣がある。2年次の冬練が終わり体重を10kg増やして迎えた初の対外試合。静岡高との練習試合で入江は先発を任された。しかし初回に一挙6失点を奪われ、チームは敗戦。「冬やってきた事はなんだったのか」と冬の成果を発揮するはずの試合は、入江に現状を打ち付つけるものとなった。だがそこでへこたれなかった。春先から再び体を作りに着手。筋力トレーニングはもちろん、小針監督が作る特製チャーハンを含め1日7食ほどの食トレも夏まで確実にこなした。投手として鍛えた下半身の強化は打撃の場でも生かされた。
 そしてつかんだ甲子園優勝。何よりもうれしかったのは「台風の日にも関わらず栃木県民の多くの方々が駅前で祝福してくれた」こと。栃木県で甲子園に行くために作新学院を選んだ入江。県民の人と優勝の喜びを分かち合うことができたのはこの上もない喜びだった。そして芽生えた「責任と自覚」。この言葉を胸に大学野球へと足を踏み入れた。

気持ちを前面に押し出していく
 気持ちを前面に押し出していく
 投手として日本一を目指す。明大野球部には小3からやってきた投手を志願して入部。しかし「課題はすべて」と春季リーグ戦では先発1試合を含む3試合に登板するも防御率は7.20。納得する結果には終わらなかった。「自分の春のレベルでは到底戦える気がしない」。全国から実力者が集まる東京六大学野球のレベルを実感した今、「直球を150キロにしてからが勝負」と直球にさらなる球威をつけ神宮のマウンドに再挑戦する。「春、秋もリーグ優勝したい」。いずれは明大のエースナンバー「11」を背負い神宮のマウンドへ、そして将来はプロの舞台へ。甲子園を経験し、U―18(18歳以下)日本代表に選出されたことで「プロの世界に意外に近い。自分の立ち位置に気づいた」とプロへの意識が強くなった。「もう一度、今井とプレーしたい」。今井と同じプロの舞台に立つために、まずは大学野球で日本一をつかんでみせる。

[坂田和徳]

◆入江大生 (いりえ・たいせい) 政経1 作新学院高 187p・77s 右/右 投手
 好きな食べ物はお寿司。特に好きなネタはエビマヨだそうだ。また趣味の映画鑑賞でおすすめなのは「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」。あらすじを熱く語ってくれるほど気に入っているようだ。


今回のルーキー特集はいかがでしたでしょうか。
硬式野球部1年の皆さん、快く取材に応じていただきありがとうございました。
秋季リーグ戦からの皆さんの活躍を期待しています!

 


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