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航空部生活を回顧し、笑みをこぼす岩崎主将

航空部  大空にかける誇らかな結実/航空部・岩崎主将

◆8・19〜28 第14回東京六大学対抗グライダー競技会(妻沼滑空場)
▼3位 明大 4604点
 航空部の活動はあまり知られていない。その名を聞いて鳥人間コンテストを思い浮かべられることも往々にしてある。だが、実際の活動はそれとは異にするものだ。人間が自分の力だけでは行くことの不可能な空。エンジンのついていないグライダーでその大空を自由に飛行する。人工の翼を借りて見る世界には夢がある。

 その航空部は晩夏に妻沼滑空場で行われた第14回東京六大学対抗グライダー競技会に参加した。グライダーに乗り、定められたコースをいかに早く旋回できるかということで得点を争うこの競技。天候の影響も競技を大きく左右する。上空が温かく地上付近の冷たい、上昇気流の生まれやすい気候ほど有利である。明大は昨年、一昨年と全出場校中最下位であった。しかし今回は好天に恵まれず思うように競技が進行されなかったものの、僅差で見事3位という躍進を遂げた。中でも主将である岩崎(理工4)は個人種目において、2位の1964点(慶應)を大幅に突き放して2900点をたたき出す。最優秀選手賞を獲得し、チームを上位進出へとけん引。大会の開催された8日間でフライトが行われたのは天候の影響から4日間であった。限られた条件の中で一回の飛行における上限得点である1000点を2回ものにするなど、岩崎主将の滑空は紛れもなくチームの原動力そのもの。4年間にわたる航空部生活ラストイヤーとして華々しい結果を残した。チームが勝てない時期も見てきた彼にとって、この誉れは喜びも一入であったに違いない。

 こうした記録の裏側で航空部は努力を重ね、グライダー操縦のライセンスを取得するだけにとどまらずに数々の試行錯誤を繰り返した。全ては「大会で勝てる部」(岩崎主将)にするためである。週末は春日部の滑空場での合宿。練習効率に焦点を合わせた疑似競技やGPSの搭載など、一連の意識改革の立役者は岩崎主将であった。入部当初から意欲のあった岩崎主将は上級生とも積極的に意思疎通を図り、相乗効果を得ようと奮闘。一方でその上級生を好敵手と見立て、野心を逸することなく日々心血を注いだ。同期が一人また一人と退部していく中でも、周囲の空気に流されることなく空へと向かった。それはひとえにパイロットになりたいという、物心ついたときからの夢のおかげであった。また、現在の岩崎主将を支える人物として、伊澤前主将の存在がある。グライダー競技において、明大勢初のコース周回をなした伊澤前主将。下級生の頃から提案や進言をしていた岩崎主将は、自らの意見をくんでくれた伊澤前主将に対し「やる気のあるいい先輩」と仰ぐ。勝つための航空部づくりという意識改革も伊澤前主将の意志を受け継ぎ、岩崎主将が励行した暁である。

 そして、主将としてチームを一つにまとめることとなった今年。同期としてたった一人残った田中(理工4)と共に「真面目で頼りがいがある」(田中)人柄で航空部の支柱に。下級生の多い体制の中、2機という限られたグライダーでの練習や後輩の指導に労した。一般入学生のみで構成される体育会系でも特殊な部類に属する航空部。それ故に部の雰囲気は非常にアットホームであった。だが、練習や競技そのものは命に関わる危険がある。そのため上下関係など、部の活動にメリハリをつけるよう努めた。そうした経験を積み重ねた末につかんだ栄光。それをおごることなく「感無量」(岩崎主将)と一言。それは将器ある人柄の表れであると同時に自身一人ではなし得なかったことであると理解している発言であった。「飛ぶことに集中したいときに他の人が機体を組んで、点検してくれるのはありがたい」(岩崎主将)とチームに感謝することも忘れはしない。

 さらにそれは自身の航空部生活を静かに振り返った瞬間でもあった。「大学生活の7割が航空部での活動」であった岩崎主将にとっては大学生活そのものの思い出に等しい。もはや、航空部に入部していない人生は考えられず、かけがえのないものを手にした時期でもあるに違いない。

 こうして集大成を飾ったわけだが、これから先は下級生の指導に腰を下ろし、次の芽を育てる立場に回るというわけではない。「指導ということも頭にはあるが、ここで犠牲になるのはもったいない」(岩崎主将)とまだまだ現役を貫くことを示した。それだけでなく「生きがい」とまで言わせしめたこのグライダーに「生涯かけて付き合う」(岩崎主将)とまで誓った。航空部を軌道に乗せ、チームを上位進出へと導いた岩崎主将。目標であるパイロットになるその日まで、急上昇を続けることだろう。

[和田孟]

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