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親善試合後には、笑顔で記念撮影を行った


スポットライト体同連  (1)日本代表も輩出、快進撃を続ける女子ラクロス部  

 体育会各部が後期へ向け活動を開始する夏。体同連(たいどうれん)もまた勝負の夏を迎えようとしている。
 体同連とは体育同好会連合の略で、体育会と同好会(いわゆるサークル)の中間に位置する。その立ち位置故に、大学からの補助も注目を浴びる機会も少ない。しかし、中には他大学の体育会の部を撃破する実績を上げる部もある。昨年度の女子ラクロス部の関東リーグ準優勝や、テコンドー部のインカレ個人優勝などが代表例だ。決して恵まれた環境ではない彼ら、彼女らが、資金も設備も恵まれたチームを倒す――体同連は熱い。そんな体同連各部を全7回の連載で紹介していく。
 第1回は女子ラクロス部を取り上げる。
躍進続け関東準優勝
 昨年の関東学生ラクロスリーグ戦では、慶大に7−9と敗れたものの関東準優勝に輝いた女子ラクロス部。6月5日にはボストン大との親善試合が行われ、日本代表が11―11で引き分けた相手ながら9−6と善戦。昨秋から着実な成長を果たしている。そんな女子ラクロス部の今年の目標は「ぶっちぎりの日本一」と主将の稗田早織(国際4=北摂三田)。大学から競技を始める者がほとんどにも関わらず、今年は日本代表2名が所属し戦力も充実しており、スローガンにしている「ぶっちぎりの日本一」も夢ではない。

厳しい環境に負けず
 早大や慶大のように体育会所属の部として活動している大学があるにも関わらず、準体育会という位置づけの体同連に所属している女子ラクロス部。体育会と比べて、環境面での差は顕著だ。慶大のラクロス部は日吉の陸上競技場や丸子橋第一グラウンドなどを使用しているように、他大学のチームは常時使用可能なグラウンドがあるが、明大にはそれがない。公共の施設を使うこともしばしばだ。平日は和泉校舎のグラウンドをメインに練習に励む。しかし、他のサークル等と扱いは平等であるので競合してしまうことも多く、ホームグラウンドである和泉校舎グラウンドの使用環境も恵まれているとは言いがたい。1限に体育が組み込まれる都合上、早朝練習終了時刻から、講義開始時刻までが短いため撤収作業も駆け足。大雪が降った日には、部員全員で雪かきをして早朝練習を強行したこともあった。
 公共の施設も「他大との争奪戦になることもあるし、練習できない場所も多い」(稗田)。他のグラウンドを使用する際はゴールがないので、分解して各自パーツを持ち帰り、練習グラウンドで再び組み立てる。またその際のグラウンドの使用料は、全て部員のアルバイト代で負担。金銭面に苦しむこともあるが「それ以上に目標に向かって真剣になれるラクロス部の魅力の方が上だった」(剱持真衣・商4=城南静岡)と明るく語る。練習は1週間に5回励んでいるが、全体練習時間は短いため、練習後や試合後には自主練習へ。「4年生からまずは動いて、(下級生に)意識させる」(稗田)と後輩たちに意識を持たせている。例えば生田に通う部員は、和泉グラウンドに来られない分、それぞれが積極的に自主練に励む。「差は少なからずあるけど、環境のせいにしてはいけない」(稗田)と高い意識を持って練習に臨むのが強さの理由だ。

 躍進の原動力は「ハングリーさ」にある。1988年の創部以来、2005年までは3部リーグに所属。2008年からは、1部に昇格を果たした。恵まれているとは言えない環境だが、彼女たちの顔はいつも笑顔だ。そんな明るい雰囲気づくりに役立っているのが、親子制度の存在。2、3年生が1年生と一組になり、技術面や精神面をサポートする。4年生は、何組かの親子の長となりファミリーとしてまとめる役割だ。この制度のおかげで、1年生は先輩たちと打ち解けやすくなる。さらに上級生も後輩に教えることで自分の課題が見つかるなど、二重のメリットがあり「いい意味で上下関係がある」と稗田は語る。

 
主将としてチームをけん引する稗田
主将としてチームをけん引する稗田
また個性豊かなコートネームも明るさの象徴と言える。ぴっころ、べじーた、ぱん…これらはキャラクターの名前ではなく、コートネームだ。「明八(明大中野八王子高)の先輩がドラゴンボール好きで、明八出身者にあだ名をつけはじめた」のが始まりだという。中には“どん”というコートネームも。「カツ丼から、フィーリングで”どん”というコートネームになった。最初は嫌だったけど今は付けられて良かった」(広瀬・文2)。この絆が、いつも彼女たちを支えている。

 
 キーマンは日本代表
 今季、主将を務める稗田は、視野の広さを武器にゲームメーカーとしてチームをけん引。そんな彼女は元々バスケットボール部に所属。背番号41の理由も、バスケットボール部時代にずっと着けていた背番号4と好きな数字である1を合わせたものとバスケットボールへの思い入れは強い。大学でも「バスケットボールを続けるか悩んだ」と言うが、姉が他大学のラクロス部のマネジャーをしていたこともあり女子ラクロス部の体験会に参加。そこで「先輩たちとラクロスの魅力」に魅了され「もうやるしかないな」と入部を決意。入部後は異例の速さで上級生の練習に参加。「上達スピードが速かった」(山口・国際4)と7月には公式戦デビューを果たした。その頃から同級生の絶大な信頼感を得ていたため、主将になったのも自然な流れだった。主将としてグラウンドでは主にプレー面で下級生に厳しく指導。しかしグラウンドを出れば、部員から「自由すぎる」と言われるほどに明るく、また「靴ひもを結ぶのが遅い」とマイペースな一面も併せ持つ。そんな稗田が目指すのは「言葉で言わなくても、みんなが感じ取ってくれる背中で引っ張る主将」だ。そのために「みんなが納得してくれるだけの行動をしなくてはいけない」と気持ちに緩みは全くない。

 ゲームキャプテンを2年連続で務める剱持は中高ソフトボール部に所属。好きな選手は金本知憲選手(元阪神タイガース)という生粋のソフトボール娘。恵まれた身体能力を生かしショートを守っていた。高校卒業後、ソフトボールを真剣に続けたいという思いから、実業団への入団に悩んだが大学進学を選択。その時、勧誘され興味を持ったのが女子ラクロス部だった。「真剣に上を目指している部活だなと思って、どうせ大学でスポーツやるんだったら、そういう部に入りたいなと思ってラクロスを選びました」と入部を決意。1年目から持ち前の運動神経を生かし、試合に出場した。そんな剱持の転機は2年前のU−19日本代表に招集されたことだ。初めて世界を相手に試合をすることで「今までの練習やラクロス観では、日本ではよくても世界ではダメだな」と格の違いを痛感。さらなる高みを目指すため、大きな刺激になり今年はついに日本代表選手にまで成長した。
2年連続でゲームキャプテンを務める剱持
2年連続でゲームキャプテンを務める剱持


 創部から徐々に力を付け、ついに関東2位にまで上り詰めた女子ラクロス部。「当たり前を当たり前にやるだけではなくて、改革して上を上を目指す意識を忘れずにやる」(剱持)と常に前向きな気持ちを持つことで、厳しい環境の中でもここまでやってきた。昨年の雪辱を果たしたい。8月15日の秋季リーグまでは、あと1ヶ月を切った。明大はBブロックに入り早大、日女体大、成蹊大、日体大、日大との厳しい戦いが予想されるが、まずはブロック首位通過を目指す。「ぶっちぎりの日本一」へ、これからも女子ラクロス部から目が離せない。

★日本一への道のり…1部A・Bブロックそれぞれで総当たり戦が行われ、上位2チームずつが決勝トーナメントへ進出。その勝者が関東学生王者として関西学生代表と学生日本一を懸けて対戦する。

★女子ラクロス部のHPはこちら

★稗田さん、剱持さんは女子ラクロス日本代表として「第9回FIL女子ワールドカップ(2013年7月10日〜7月20日)」に出場しています。詳細はこちら

[阿部慎・三浦亜優美]


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