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エースとしてチームを支える佐賀


スポットライト体同連  (5)1部昇格を目指す 男子ソフトボール部   

 体育会各部が佳境を迎える秋。体同連(たいどうれん)もまた熱いシーズンを送っている。
 
 体同連とは体育同好会連合の略で、体育会と同好会(いわゆるサークル)の中間に位置する。その立ち位置故に、大学からの補助も注目を浴びる機会も少ない。しかし、中には他大学の体育会の部を撃破する実績を上げる部もある。昨年度の女子ラクロス部の関東リーグ準優勝や、テコンドー部のインカレ個人優勝などが代表例だ。決して恵まれた環境ではない彼ら、彼女らが、資金も設備も恵まれたチームを倒す――体同連は熱い。そんな体同連各部を全7回の連載で紹介していく。

第5回は男子ソフトボール部を取り上げる。
 迫力ある競技
男子ソフトボール部は、過去に東京都大学リーグの一部に所属していたが、現在は二部に所属。一部には体育会として活動する早大や国士大、日体大の存在もあり、昇格には至っていない。部員たちは練習環境や指導者の不在に苦しむことも多々あるものの「体同連は自分たちのやる気次第で変えられる」(関根清志郎・営3=須賀川桐陽)と、前向きに練習に励んでいる。部員たちの多くは、野球経験者が大半を占める。中には小学校の頃にソフトボール経験者や、もちろんソフトボール未経験者も所属している。ソフトボールの魅力は、塁間が短いため「1つのミスで変わる。スピード感があるし、細かいプレーが重要になってくる」(伊谷燎主将・政経3=川越東)と口にする。また女子ソフトボールとの違いは「パワフルでスピーディなところ」と、予想を上回る迫力があるのが男子ソフトボールだ。
 
 試行錯誤重ね
主な練習グラウンドは、和泉グラウンド。ナイター設備がない和泉グラウンドでは、月曜日と木曜日の朝練と水曜日の自主練にグラウンドの許可が与えられている。毎週月曜日、7時30分から男子ソフトボール部の朝練が開始。明大の正門が開門する時刻も7時30分のため、7時20分には正門に集合、開門と同時に早足でグラウンドへ向かう。普通の大学生なら授業でもない限り、寝ていたい時間だろうが部員たちには関係ない。「朝早いのはきついけど、もう慣れてしまった」(小沼一輝・法3)と笑顔で語る。木曜日にも朝練はあるものの他の部がグラウンドを使用するため、月曜日の朝練は部員たちにとっては貴重な練習時間だ。「練習が一番盛り上がっている時に終わってしまう」(関根)と練習時間の短さに不満もある。練習時間の少なさを補うためにも、一週間に一回、東大島や東府中、篠崎でグラウンドを借りての練習に。他にも練習試合の後に、対戦相手との合同練習をすることで、少ない練習時間をカバーしている。「人工芝のグラウンドの練習なので、土のグラウンドでの試合の時に違いがある」と関根。
和泉での練習は主に守備練習がメインだ。試合形式のシートバッティングなどを中心に汗を流す。バッティング練習は和泉グラウンドでは近隣住宅の関係もあるため、原則禁止。それにも関わらず、明大は「打力では負けないし、得点力がある」(伊谷主将)と二部随一の攻撃力を誇る。バッティング練習に時間を費やすことができるのは、外部での練習のみ。部員数の多さから一人あたりのバッティング練習時間は「試合前なら15分、いつもは5分」(関根)と格段に短い。その短い練習時間で、一球を大事に集中して打ち込む。「練習が始まる前に一人何球というのを、言ってから始める」(関根)ことで、部員たちの集中力を上げている。それに加えて「朝練を早めに終わらせて、毎回15分くらい各自で素振りやティーバッティングに取り組む」(石川友吾・商3=成城)ことで、練習量を補っている。
また、コーチはもちろん、監督さえいないのが現状だ。そのため監督は伊谷主将が兼任。「チームマネジメントをしながら、プレー面で引っ張るのは難しい」(伊谷主将)とその難しさを語る。また試合に出ながらの采配は難しく、自身もファーストを守るため「継投のタイミングが難しい、判断しづらい」と兼任監督ならではの辛さがある。指導者不在にも泣かされている。速球が武器のエース・佐賀大貴(法2=広島学院)は「先輩に聞くか、自分で試行錯誤するしかない」と語る。そのため「今の自分のフォームが正しいかどうか誰も教えてくれない」時は、積極的に投手経験のある部員に聞いたり、引退した先輩に意見を聞くことで練習に生かすしかない。しかし部員たちに、不満はない。今年度から4番に座る関根は「学生が主体となってやっているのが良い所だと思う。適当になら、適当にできる。やる気次第でどうにでもできる」と断言。限られた環境の中で、自分たちで工夫しやりくりすることができる情熱が、明大ソフトボール部にはある。
今年から4番を務める関根<
今年から4番を務める関根

 昇格へのカギ
 1部昇格へのキーマンは、4番を務める関根と2年生にしてエースの佐賀だ。関根は、小学校の時にソフトボールを経験。中高は野球部に所属していた。大学でも野球を続けるか悩んだが「軟式は好きではなかった」と断念。そこで出会ったのが、ソフトボール部だった。「どうせやるなら真面目にやりたかったし、明治大学という名前を背負ってやりたかった」ことを理由に入部を決意。入学当初からショートに定着し頭角を表すと、主に上位打線を打ち勝利に貢献した。そして迎えた今年、副将に就任すると共に4番に抜てきされた。副将について関根は「主将はチームをまとめなければいけない。副将は個人をまとめて、その方向へ引っ張っていくことが仕事
と語る。部員数の多いソフトボール部では、主将一人ではチームをまとめることは困難。しかし関根の存在によって、チームはより団結力が強まっている。また4番については「自分は本来3番タイプなんですよ」と笑いながらも「色々求められるけど、4番を意識せずに下位打線につなぐ意識」を持つことを心掛けているという。それでも「自分が打てば勝利につながる可能性は高いので個人の成績は意識するようになった」と4番としての責任感もしっかりと持ち合わせている。1部昇格へは、この男の打撃が不可欠になってくるに違いない。
明大のエース・佐賀も高校時代は野球部に所属、外野手だった。小学校時代のソフトボール経験を買われ入部後は投手へとコンバート。下手投げを始めたのは小学3年生の時、投げられるようになったのは4年生。それから6年ぶりのソフトボール、しかも投手での復帰に「知識が小学生の時に教えられたことしかなく、指導者もいないので、中々思ったところに投げられなかった」と大苦戦。ピッチングの軸であるコントロールを改善するために、取り組んだことは「投げ込む」こと。「フォームのバランスも重要だと思いますが、投げ込みの方が大事。投げ込んでいって感覚をつかむしかない」と普段の練習では50球、試合前には100球前後を投げ込んでいる。秋季リーグに備えて、この夏は「普段から100球、投げ込むつもり」と闘志を燃やしている。佐賀にとって忘れられない試合がある。2年次の春季リーグの専大戦。先発で登板した佐賀は5回を8失点と打ち込まれた。1年の秋季リーグで活躍していた佐賀にとっては、悔しい試合となった。原因は1年次からの活躍で「天狗になっていた」ことにあったと語る。「本当に辛かった。中途半端な気持ちでやっているということが、痛いほどよくわかった」と意識が変わった。以前までは取り組んでいなかった体幹トレーニングや走り込みに積極的に取り組み、さらなる高みを目指し練習に励み始めた。「勝ちたい気持ちは誰にも負けない」。伸び盛りのエースが、秋には進化した姿を見せてくれるはずだ。

1部昇格を目標に掲げる男子ソフトボール部。一昨年には、リーグ戦を全勝で制し優勝したものの、入れ替え戦では勝利することはできなかった。「リーグ戦で勝っても、入れ替え戦は違う」(関根)と1部昇格への壁は高い。
男子ソフトボール部は3年の秋で引退となるため、秋季リーグが昇格へのラストチャンスだ。その中で3年生が「自分たちはもう1部でプレーすることはできないから、昇格を後輩たちに残すことしかできない」(関根)と言えば、2年生も「先輩たちに恩返しがしたい」(佐賀)と昇格へ闘志を燃やしている。現在秋季リーグは、3試合を終え2勝1敗。桜美林大に敗れたものの、成長著しい慶大や春に敗れた専大に勝利し着実な成長を果たしている。1部昇格、そしてインカレ出場へ、もう負けることは許されない。明大ソフトボール部の挑戦が、今正念場を迎えている。

★男子ソフトボール部のHPはこちら

[阿部慎]


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