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スポットライト体同連  (6)2部リーグ昇格へ邁進する女子ソフトボール部  

 体育会各部が佳境を迎える秋。体同連(たいどうれん)もまた勝負の夏を迎えようとしている。
 体同連とは体育同好会連合の略で、体育会と同好会(いわゆるサークル)の中間に位置する。その立ち位置故に、大学からの補助も注目を浴びる機会も少ない。しかし、中には他大学の体育会の部を撃破する実績を上げる部もある。昨年度の女子ラクロス部の関東リーグ準優勝や、テコンドー部のインカレ個人優勝などが代表例だ。決して恵まれた環境ではない彼ら、彼女らが、資金も設備も恵まれたチームを倒す――体同連は熱い。そんな体同連各部を全7回の連載で紹介していく。
 第6回は女子ソフトボール部を取り上げる。

 2部昇格へ前進
 春季リーグ戦で準優勝を収めた。東京都大学ソフトボール連盟3部リーグに所属している女子ソフトボール部。3年前は1部リーグにいたチームだった。しかし部員が激減して以降一時は助っ人に頼らなければ試合ができないという苦しい時期もあり、成績は下降し続けた。かつて、数人での練習風景を見たある体育会からは「自主練は辞めてくれないか」と心無い言葉を投げられたこともあった。この一言は彼女たちの心に火を付け「どうにかしてこのチームを勝たせたい」。強い決意とともに水島早紀主将(営3=都立第一商)は立ち上がった。暗闇の中寒さと戦いながらの朝練。1時間300本をノルマに全員でバットを振り続けた。迎えた春本番。プレー面、精神面ともに鍛え上げられた彼女たちの姿が、グランドにあった。4年生の就活に伴い助っ人を借りて臨んだ結果は4勝1敗。厳しい冬を乗り越えた先に喜びは待っていた。秋季リーグで3部1位になれば、2部入替え戦へ進む。そこで勝利すれば2部への扉は開かれる。
全員でソフトができる喜びをかみしめる<
全員でソフトができる喜びをかみしめる


 夢の全員ソフト
 体同連だからこそ抱える困難も多い。体育会優先という都合上練習場所の確保は厳しく、練習時間は主に朝練のみと限られる。また部員集めは部の生命線を握る。現在部員は15名。何とかして部員をかき集めようと、部員全員必死で歩き回った新歓期間。4月、その努力が実り過去最多となる6名の新入部員が入部した。「可愛くて可愛くて」と頬を緩ませるのは佐伯美貴(情コミ3=両国)。高校時代は水泳部、剣道部、そして漫画サークル…驚くべきことに6名全員がソフトボール未経験者だった。比較的女子の集まりやすい男子ソフトボール部の協力を得て、最終的に集まったのが6名だ。
 1年生に限らず、様々な経歴を持った部員が集まるのが女子ソフトボール部。「いつの間にか選手になっていた」と笑いながら話す米澤里奈(法3=国府台女子学院)は高校時代バットも振ったことがなかったマネジャーだった。そうかと思えば水島は都内で上位を争う強豪校出身。初心者から経験者まで幅広い部員が集まることができるのは体育会にはない、体同連ならではと言えるだろう。ぎりぎりチームをつくることができている状況の中、決して十分な人数とは言えないが、ソフトボールができる喜びを全員でかみしめる。

 揺るぎない信頼
 仲間がいたからソフトボールを続けてこられた。2年の夏、一足遅れて入部した佐伯。入部当初を「期待もされていないし、簡単な気持ちでやっていた。ただソフトが楽しかった」と振り返る。そんな彼女を変えたのが先輩の引退だった。部員がぐっと減り、助っ人に頼らなければ試合ができない時期もあった。「失ってから気付いた」。だからこそ今までが当たり前ではないと分かり、仲間の大切さを認識した。米澤はこの春アメリカへ留学をした。少ない部員を残して1カ月部活を抜けることは後ろ髪を引かれる思いだったと話す。しかし「行っておいで」という一言が米澤の背中を押した。「恩返しをしたい」(米澤)と臨んだ春季リーグではひと押しがほしい場面でヒットを放ちチームを勝利に導いた。「強制だけが強いチームではない。気持ちが大事」(佐伯)。難しさも多いがいくつもの山を乗り越えたからこそ「究極の信頼を置ける」(佐伯)仲間となることができた。

 一歩一歩、前へ
 決意は固い。今月4日、秋季リーグ戦が幕を閉じた。結果は準優勝。2部昇格は叶わなかったが、助っ人の力を借りずに戦い抜き、勝ち得た結果だった。初戦の文教大戦を11―1で圧勝したが、続く日大戦で4―8と敗れた。最終日となった成蹊大戦、2死同点サヨナラの場面で打席に立ったのは佐伯だった。「練習通りに」(佐伯)と臨んだが結果はピッチャーゴロ。「最後の打席を先輩に回せなかった」と佐伯は肩を落としたが、そんな時救いとなったのが4年生の一言だった。「ピッチャー返しは基礎中の基礎だから佐伯はそれができたんだよ。最後は誰かが終わらせなきゃいけない。それが佐伯で良かった」。チーム一丸となって戦えた証だった。今大会を終え、3、4年生は引退を迎えた。ここまでの道のりは決して平たんではなかった。だからこそ、仲間を大切に思い全員でソフトボールができることに「感謝」(佐伯)の気持ちを忘れない。2部昇格へ。15名の願いが現実となる日はきっと来る。

★女子ソフトボール部のHPはこちらこちら

[長堀笙乃]

2部リーグ昇格を目指す女子ソフトボール部<
2部リーグ昇格を目指す女子ソフトボール部



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