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TRY AGAIN  (11)「絶対にブレない」 小村淳ヘッドコーチ  

 前期は、大学選手権5連覇の帝京大以外の大学に勝利。関東大学春季大会グループBでも優勝を果たしたラグビー部。丹羽政彦監督(平3文卒)就任2年目を迎えた今年、目標とする対抗戦、大学選手権、ジュニア選手権での「三冠」へ向け、着実にチームは成長を果たした。春に引き続き今回は、首脳陣と選手たちに全16回に渡り前期を振り返ってもらった。

 第二回は小村淳ヘッドコーチ(平4政経卒)。今回は春シーズンの振り返りに加えて、ヘッドコーチという役割についても話を伺った。

グラウンド内のすべてを統括する
グラウンド内のすべてを統括する
――ヘッドコーチの役割について教えてください
小村ヘッドコーチ:
グラウンドでのラグビーに関してのトップです。戦術、戦略を決めるのもすべて私。FWコーチにこういう風にしなさい、BKコーチにこういう風にしなさいというのも私。だからFWが失敗すれば、FWコーチプラス私の責任。全部を統括することが私の仕事です。

――ヘッドコーチとして意識していること何ですか
小村ヘッドコーチ:
モットーはブレないことです。一年間のスケジューリング、どういうチームをつくるのかをプランニングします。プランニングの中にスキルプログラムをつくっていきます。それが一番大事です。ありがちなのは、通用しなくて負けてしまったら違うことをやってみようというコーチがいます。これがブレです。それが選手たちを迷わせてしまいます。私の一番の考え方としては、絶対にブレないで、選手たちが遂行することを支援し続けることです。プラスアルファでやり方とかは修正していきますが、根本的な柱は変えないでやります。一つ例を挙げると、去年はアタックでトライが取れないシーンがあったので、今年は新しくオフロードパスに取り組んできました。汗で滑ったりするのでハンドリングエラーが多い試合が出てきたら、次の試合はオフロードをやめようということはよくありがちです。そういうところでミスを恐れないでやります。ただ、オフロードというプレーの定義を選手たちにしっかりと伝えます。例えばゲインラインをオーバーしたらオフロードいいよ、ゲインラインを切っていなければ絶対駄目など。そういう定義を一つずつ決めていけばミスのリスクは減っていきます。

――定義、言葉の意味を選手に伝えるということはしていますか
小村ヘッドコーチ:
何か新しいことをやる時は事前にミーティングを行います。また100パーセントのスピードではなくてウォークスルーで確認したりなどしています。あとは96人もいるので、言葉の理解度はそれぞれ違います。常に理解させるために反復練習をして、随時理解できていない選手には言葉で伝えたり、映像で見せて理解させるようにしています。

――96人に目を届かせるために意識していることはありますか
小村ヘッドコーチ:
意識はしていないです。96人見ることは当たり前。試合に出ていない選手を見ていないということはありません。ただ、96人もいるので各担当で練習を振り分けしています。AチームとBチームを見ていた時はC、Dチームの練習を見れていない。そういう時はCチーム、Dチームの練習をビデオで確認しています。アナリストがいてビデオを撮らせているので、見ていないところも、練習が終わった後に映像でチェックしています。あとは練習を見ていても、グラウンドでの視野とは違うので確認しています。みんながどういう性格で、ある程度どんな考えを持っているか、ウィークポイント、ストロングポイントというのは自分の中で理解しています。

――春シーズンの振り返りをお願いします
小村ヘッドコーチ:
春は秋までの前哨戦です。選手がどれだけ自分のプレーをアピールして、春にやろうとしていることを遂行できるか。個人がどういう風にラグビーを取り組んでいるかを見ていました。なおかつ、チームが春やってきたことをチームがどれだけ遂行できるか。その中で個々がどう理解して、チームのために体を張ってやっているかを判断するシーズンという認識でした。

――この春取り組んできたことは何ですか
小村ヘッドコーチ:
自分の中で、昨年の反省点としてはフィジカルです。昨年のトップ4のチーム、立命大を相手に優位に立つことができなかった。フィジカルの部分を強くしないといけないということで、今年から新しくS&Cコーチを入れました。リアクションやスピード、80分間しっかり走れるフィットネス、ラグビーに連動できるようなサイズアップ、筋力アップを目指してきました。これらは春というかは一年間を通してやっていくことですが、特に春、強化してやってきました。

――S&Cの手応えは
小村ヘッドコーチ:
部分的には20パーセントの筋力増強に成功しています。確実に結果は出ています。私たちは毎日選手たちを見ているから気付きませんが、ファンの方たちやOBなど外から見た人は大きくなったと言ってくれています。数字で結果が出ているし、ビジュアルでも評価を得ています。そういう少しずつの結果が春の結果にもつなかってきているかな、と思いました。

――春、目立った選手はいましたか
小村ヘッドコーチ:
尾又寛汰(商2=国学院栃木)です。去年は一番下のチームだった。今年のシーズンに入る時、アウトサイドセンターをやってみろと本人と話しました。本人も納得してチャレンジしました。彼の場合はチームの始動よりも前から準備していたと思います。開幕戦で途中から出て、その後ずっと13番をつかんでいます。私が個人的に選んだ春のMVPは尾又寛汰です。

――新戦力が台頭してきたことについてどう感じていますか
小村ヘッドコーチ:
練習で頑張って、チームでやろうとしていることを遂行している人間をどんどん上に上げていっています。そういう意味では尾又や林(祥太郎・文2=常翔啓光学園)にしろ、頑張っているから使っています。選手にもよく言いますが、失ったチャンスは二度と来ません。チャンスをもらった時に、いかに自分のプレーを遂行して、自分の強みをしっかり出せるか。それを毎回することによってチームメートから信頼を得ることができます。そしてチームスタッフからも信頼を得ることができます。

――春の収穫を教えてください
小村ヘッドコーチ:
春の段階ではありますが早稲田、筑波大、慶応、東海大などのある程度の力を知ることができました。それに対して明治はどれだけできたか、できなかったか、というのが一番の収穫です。

――課題として残ったことは何でしたか
小村ヘッドコーチ:
セットピースです。特にスクラムに関しては、昨年を経験している選手がほとんど残っているのでもう少し他のチームにプレッシャーを掛けられたかなと。80分の試合の中で5本は押せたけれど、2本押されてしまうというケースもありました。スクラムはもっと強化しなければいけないというのが春の反省です。

――今後どういったことに取り組んでいきますか
小村ヘッドコーチ:
スクラムに関してはルールが少し変わって、対応が遅れていました。あとは、もともと8人で組むという意識は持っていましたが、どう8人で組むのか、どういう足の使い方をするのか、どうアングルを付けて組むのかという本当に細かいところ。現在は明治のスタンダードをつくっています。そこにチャレンジしながら、トップリーグのチームにお願いしてどれだけ通用するかを試したりしています。まだまだ確立はしていませんが、もう決まっています。あとは足のポジションや角度など、何も考えないでもゲームの中でできるようにならなければいけません。それがスタンダードです。つまらないかもしれませんが、日々、練習していかなければいけない。スクラムだけではなくタックルもそうです。明治は春、タックルも良くなくて、成功率が60パーセント以下でした。私が経験してきたチームでは最低でも70パーセント以上でした。それでよく勝てたなと。そういう意味ではタックルのスキルも同じです。その時来る人に、いかにしっかり足を踏み込んで、相手の下に入って、体を当てて、倒せるか。やりなさいと言えばできるけれど、その時の一瞬でできなければいけません。そのために練習していかなければならない。常に我々が言っていることですが準備が大事なのです。

――秋シーズンに向けて意気込みをお願いします
小村ヘッドコーチ:
学生ラグビーは戦っていく中で成長するところもあります。もちろん日本一を目指しますが、一番のキーは開幕戦の筑波大戦です。春は勝っていますが、去年はジュニアも含めて全部負けています。春の筑波大はケガ人や教育実習などで主力がいなかったので侮れません。9月14日の日曜日、ここが鬼門だと思っています。対抗戦というよりもここにターゲットを持っていきます。内容どうこうより結果。結果だけ出さないといけないと思っています。あとはこれから築き上げていきます。明治はチャンピオンチームではないので、一戦一戦、先のことを考えないで、目の前の相手を潰していくしかないありません。一つずつ勝っていければ選手のレベルも上がってきて、帝京大に勝って、早稲田にも勝っていけます。あとは大学選手権に入ったら、いかにケガ人を少ない状態、良いコンディションを保つことができるか。そして15人ではなく、23人ではなく96人が全員、日本一になりたいんだ、という気持ちで練習に取り組んでいけるか。試合に出るメンバーはそういう気持ちでやって、出ないメンバーも同じ気持ちで観戦できるか。そういった明治の文化が今は無いので早く作っていきたいです。

――ありがとうございました。

[柴田遼太郎]

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