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責任とリバイブ  (6)「18年間のOBたちの気持ちを背負って」丹羽政彦監督  

 
 復活する。明治である責任を果たし19季ぶりの大学日本一へ。中村組が掲げるスローガンは「責任とリバイブ」だ。関東大学春季大会の初戦・法大戦を前に、紫紺のリーダー陣それぞれの思いを紹介する。 
 第6回は丹羽政彦監督(平3文卒)。監督として3年目を迎える指揮官に今季に懸ける意気込みを伺った。


チームとしてやるべきことの徹底を図る
チームとしてやるべきことの徹底を図る

――監督として3年目を迎えます
 自分自身が思い描いていたスピードでの強化には至っていない。今シーズンは過去のシーズンを土台に目標達成をするシーズンにする。

――思い描いていたというのはどういうものですか
 3、4年目で常勝チームをつくっていくという目標だった。この2年間はその手前のところだったが、シーズンの長さで言ったらこの優勝していない18年間と変わっていない。チームをつくる上で必要な環境や意識改革も、良い方向に進んではいるが結果は同じ。ラグビーのスタイルもそうであるし、明治大学ラグビー部としての新しい文化の根付かせができていなかった。3年目になり、少しずつ選手も自覚し、自律心を持っている選手も増えてきた。新しく吸収しようと思っている1、2年生もいるので、そういった意味では大学チャンピオンになるチームになっているのではないかと思っています。

――今年のチームの特徴は
 オーソドックスには昨年とやっていることは変わっていない。ただしっかりと明治の強みを持てるチームにしないといけない。セットプレー、スクラム、ラインアウトからのモールというところで、昨年の序盤は圧倒できている部分もあったが、後半の厳しい局面になったところで取り切れなかった。BKで言うと、ボールを動かせるようになっているがスコアまでいっていない。何よりもディフェンス。タックルの精度が非常に悪かった。全てが悪いわけではないので、そういった部分を重視する。敵陣に入ったら必ずスコアをしてくる、ディフェンス力が上がって失点も抑えるというラグビーをできるようにしたい。そのために必要なスキルは何なのか、チームとして求められる考え方は何なのかということを、春は結果もだが中身が大事になる。チームとしてやろうとしていることをみんな遂行してしっかりチームの方向性を確認しながら5、6月は戦っていきたい。

――新チーム最初のミーティングではどういうことを選手に話されましたか
 ラグビーをする前に、大学生として社会に出る一歩前の大事な時期。ラグビーを通じて人間形成を行っているんですよね。だから会社でもそうだけど、一番駄目なのは組織の中で個人の勝手な考えが出てくること。大学選手権優勝という目標に向かう方向性が出せない人間が一人でもいてはいけない。チームスポーツをやっているのだからチームが目標とすることをやらないといけないし、合宿所生活では共同生活なので、そうすると合宿所のルールの全てを徹底しないといけない。それが重要だよという話をしました。あとはやっぱりラグビーをもっと考えろと。どうやったら上手くなるか、どうやったら強くなるか、自分に何が足りていないか。そうすると自ずと練習しないといけなくなる。そういうことができるかどうかが結果につながってくると思います。

――今年の4年生は下級生のころから試合に出ている選手が多いですが
 その世代のトップ選手の数が多いというのは一つの強みであると思います。経験を積んでいることも大きいですし、必ずプラスにはつながります。ただ、チーム力はそういうことではない。ケガだってある。あいつがいるから勝てたとかあいつがいなかったから負けたとかにはならないので、チーム力を常に保っていられるようにしないといけない。だから今は先輩たちがどんどん引っ張っていけと。そして3年生以下が付いていって向上心を持たせていくようにやっている。リーダーシップを持ってやってくれています。

――監督に就任された時に下級生だった選手たちが上級生になりました
 2年よりも3年やっている方が気心も分かっているし性格も分かっている。ちょうどいろいろなことを変えている時なので、今新しい文化をつくろうとしている明治の気質に慣れているところはあると思います。コミュニケーションも近くなっており、今までは一方通行で話していたことが学生の方からも話をしてくれるようになった。何でもかんでも僕たちが全てを与えるのではなく、自分たちで創造性を持つことが大事だと思うので、自分たちでどうやってゲームを組み立てていくのかということを考えるようになっている。だが、それはやっぱり2年前と昨年の先輩たちが少しずつ変えようとしてきた積み重ねがあったからこそ。そこは履き違えないでほしい。

――主将には中村駿太(商4=桐陰学園)が就任されました
 この代は駿太だろうなというのは2年生のときから決めていた。お父さんも明治大学ラグビー部ということもあって小さい頃から八幡山に来ていた(笑)。最終的には駿太に考えておけよという話をして、年末に俺のところに来て頑張ろうと思っていますと言ってきたので、覚悟したならいいよと言いました。ラグビーへの考え方や取り組む姿勢がしっかりしています。U20日本代表でもFWリーダーもやり、国際経験の中で自分を成長させたというところもある。2年から3年で非常に伸びた選手なので、あいつしかいないなと思ってました。

――副将には齊藤剛希(商4=筑紫)、FW、BKリーダーには東和樹(政経4=京都成章)、川田修司(情コミ4=桐陰学園)が就任されました
 やっぱり組織は機能しないと意味がないので、機能する人間をつけないといけないと駿太と話していた。東は今の明治で一番必要な身体を張り続けることができる、川田はBKとして考えられる、剛希はコミュニケーション能力が高く、またゲームでのパッションを常に持ち続ける選手、駿太はラグビーとチームを全体的に見る。そうするといろんなところでカバーできる。そこには入っていないが主務の紀伊、寮長の安永も役割を明確にやってくれている。田村は何も役はついていないが、BKの打合せにはいつもいるし後輩たちへの細かい指導もしてくれています。

――FWコーチが変わり、さらに新しくコーチが加わりました
 やっぱり明治大学はこうでなきゃいけないというのがある。例えばスクラムを押せ、ラインアウトからモールを押せ、BKは相手をなぎ倒して前に行けとか。そういったものをより細かく指導していきたいというのがあった。勝てていない時には現場力を上げていかないといけない。小村HCが全体では見ているが、ユニットで分かれたときに厳しく正確に教えられる人がいないかなと思った時に阮に来てもらった。阮一人では見られないからC、DのFWを永井が見ている。BKを僕と土佐で見る。週末には山品に来てもらってチームの方向性のチェックをしてもらい。選手もそうだし、コーチングの部分でも提案をしてもらっています。

――春シーズンは内容にこだわるということですが、具体的に重視することは
 セットプレーのクオリティーがどれだけ上がるのか、強みをつくった上で夏を越えて秋に完成度を高めないといけない。BKは連動するアタックでどれだけのゲインラインを切れるのか。エリアのマネジメントをしっかりした上で、常にFWが前に出やすい環境をつくっていけるか。ゲームを立体的に考える部分を植え付けたい。そしてFW、BKともにディフェンス、主にタックル。昨年のアベレージ以上に高いパフォーマンスができるかというところにこだわっていきたい。そこには時間をかけてきた。どこもそうだがトータル的なラグビーをしようとしている。その中でセットプレーを強くしていく。どちらかと言うと1次攻撃にこだわる。

――昨年は春から好調を維持していましたが、終盤に失速しました
 チームとして徹底していたところが徹底しきれていなかったのかもしれない。帝京大にはディフェンスの時間が長かったが、取られた点数としては対抗戦の中で一番少なかった。だがターニングポイントとなっている早稲田との試合では、早稲田のキーマン小倉と藤田を走らせるなと言っていたがそれができなかった。自由に走られた結果そこでスコアされた。やっぱりチームが求めるものの徹底をしないといけない。それは日々の生活からもそうで、やっているやつもいればやってないやつもいた。だからラグビーも最後は曖昧に終わってしまった。だから今年はやろうとしていることを全員ができることを目指す。それができた時に結果もついてくるだろうし明治の新しい文化ができると思います。

――今年の意気込みについて聞かせてください
 自分に毎年問いかけています。本当に自分が学生たちを満足させてやれているのか、学生たちも満足した4年間だったのか。大学スポーツであるから本来のスポーツを通じた人間形成が大事ではあると思いますが、明治は常に結果を求められている。ただ、練習環境は照明設備がない事により、全体で行える時間は早朝6時台に行うところなど、帝京他と比べて一番練習時間が厳しいのが明治と思っています。選手にはそれを強みにしようと言ってますが、やはり質を上げた練習環境を提供させてやりたいと考えていて、大学側に秋のシーズンまでには照明設置のお願いをしています。早朝では身体が起きませんし、ましてや秋のシーズンには寒さも加わりコンディションを良い状態に維持することも難しくなるからです。色々と環境改善をしてきましたが、私にとって一番大きな仕事かもしれません。僕も負けることは嫌いだしすごく悔しい思いをしたが、それ以上にやっている選手たちはもっともっとそういう思いを持って卒業していったと思う。だから昨年まで勝てなかった18年間のOBたちの気持ちを背負ってやっている。今シーズンは是が非でも結果として残さないといけないシーズンだと思っている。それがあった上で他大学やラグビー界、スポーツ界全体から評価されるチームにしたい。そして選手一人一人が競技面だけでなく人間的に成長すれば、最終的な結果がついてくると思います。

――ありがとうございました。

[坂本寛人]

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