検索
 HOME > ラグビー部

今季はAチームで試合に出る


俺だ。  (8)朴成浩 ポジションは選ばない  

 紫紺を支えるのは俺だ。レギュラー選手はもちろん、ディベロップメントチームの選手やスタッフ、首脳陣、OB、ファンに至るまで、様々な人間の力が明治を頂点へ押し上げる。全ては大学選手権優勝のために。「俺だ。」では、明治復活に力を尽くす個人を取り上げる。
 ワールドラグビーU20チャンピオンシップに参加したメンバーから、全5試合にスタメン出場した梶村祐介(政経2=報徳学園)と、本ポジションであるHOとして出場することはできなかった朴成浩(政経2=大阪朝高)をピックアップ。同じ遠征に参加しながら、違う経験をした2人。それぞれの立場だからこそ見えたものとは何なのか。
 第8回は朴成浩(政経2=大阪朝高)。ついに身にまとうことができなかった2番のジャージー。厚い選手層に阻まれ、苦しんだ。それでも最後につかんだ2分間の出場機会。本職ではないPRとしての出場だったが得たものは多い。高校日本代表にも選ばれたエリートだが苦労人でもある。明治でも紫紺を着るためにはポジションは選ばない。

「俺だ。(7)梶村祐介 誰にも止められない男になる」も併せてご覧ください。


――まずは春の海外遠征(U20オセアニア選手権、ワールドラグビーU20チャンピオンシップ)の個人的な総括をお願いします
 オセアニア選手権は、直前の合宿でケガって候補から一度落ちたんですけど中竹さん(U20日本代表ヘッドコーチ)にまた呼んでもらえました。2戦目のオーストラリア戦で、試されている的な感じですがスタメンで使ってもらえた。そこでセットプレーは通用したが、フィールドで相手の力強さやスピードに受けてしまい良くなかった。そういう評価を受けたのでイタリア(ワールドラグビーU20チャンピオンシップ)では出場機会が得られなかった。自分はずっと外から見ていて、自分と同じポジションの堀越(帝京大)や祝原(涼介・情コミ1=桐蔭学園)とどこに差があるのか、客観的に見ることができてベクトルを自分に向けることができました。

――U20の遠征メンバーに選ばれた理由はどういったところにあると感じていますか
 はっきりとは分からないですけど、自分はセットプレーを大事にしているので、そこは同世代のどのHOにも負けていないと思います。

――セットプレーとは具体的にどういうことですか
 ラインアウトとスクラム両方です。スクラムは相手がでかい。でも個人で来るので、ジャパンとしてはワンチームで、8人まとまって押す。その中でHOがしっかりリードして、まとめて押すということ。(ラインアウトの)スローイングはジャンパーとかと、しっかりコミュニケーションを取りながら、こっちが投げたくない球とかを含め要求をしっかり伝えることを意識していました。

――ワールドラグビーU20チャンピオンシップ、結果的には10位でした。チーム全体を見ていて、海外との差を特に感じた局面はどこですか
 一瞬のスピードです。こっちの方が体は小さいんですけど、じゃあスピードで勝っていたかと言われたら、あっちの方が一瞬のスピードは速かった。力強さとかも海外の選手の方があった。個人能力としてはパワーもスピードも負けていました。

――昨年、高校日本代表の遠征後には「筋トレや食事などに気を使って生活しないと、この差は絶対に埋まらない」とおっしゃっていました。1年経った今回のU20で手応えはありましたか
 1年前と感じる差は変わらないというか、むしろちょっと埋まっていたと感じました。筋トレも数値的には海外の選手とほぼ変わらない。それでも勝ち切れないということは、食事とか筋トレとかだけでは駄目なんかなと思います。海外との差はやっぱりスピードだと思う。相手の腕が長いとか言っていたらきりがない。そこは食事とか、筋トレだけでは埋まらない。自分たちの方が小さいし、力も無いので、もっと違うところで海外より上のことをしないといけない。普段の練習の激しさや質でもそうだし、私生活でもそうだと思います。

――HOは選手層も厚く、ワールドラグビーU20チャンピオンシップでは最終戦以外ノンメンバーでした
 遠征中は試合の次の日はリカバリーで、その次の日からまた練習をやるんですけど、練習をやっていても、次も出ぇへんのかなと思いながらやっていた。でも出たらそれなりにチームでやっていることをできなきゃいけないんで、プレーブック(戦術等が書いてある本)をずっと見て、動きとか勉強していた。

――明治では同期、同ポジションの古田雄也(商2=国学院久我山)ら、多くの下級生が紫紺デビューを果たしました。海外で試合に出場できない中で葛藤などはありましたか
 やっぱり海外に行っていても春は全然試合をやっていないんで、これやったら明治残っといた方が良かったんちゃうかな、というのは思いました。だけど海外で、ずっと外国人をイメージしてやっていたらプレーの質とかも変わりました。

――自身のプレー水準が上がったということですね
 はい。ずっと海外の選手をイメージして練習していたので基本のプレーが、意識が高くなりました。ボールキャリーとかも外国人選手はでかいので低くいかなきゃいけない。前までの自分は結構高かったんですけど、低くいけるようになった。ボールキャリーの面では成長したかなと思います。それは明治に帰ってきても感じます。

――U20ではHOとして出場することはできませんでした。堀越主将や祝原と比べた時、違いはどこにあると感じましたか
 一番はディフェンスかなと思います。(U20オセアニア選手権の)オーストラリア戦もそうだったんですけど、タックルで飛び込んでしまう癖があって、それで2、3回抜かれた。堀越とか祝原は飛び込んで抜かれるようなことはない。自分が入ったらディフェンスにちょっと綻びが出るかなという感じです。

――その状況下、最後のアルゼンチン戦では17番(PR)としてメンバー入りしました。選ばれた時の気持ちを教えてください
 イタリア行って、2戦目のフランス戦の前に中竹さんに呼ばれて「1番やってみぃひんか」と言われた。「2番やったら堀越もおるし出場機会を与えられへんけど、1番やったら代えでちょっとでも出れるかもしれへん」と言われました。高校の時もたまに1番をやっていたので、それやったらやってみますということでそこからずっと練習していた。とりあえずメンバーに入れたんはうれしかった。試合も最後2分間くらいしか出てないですけど緊張した。試合に出れていなかったメンバーが自分も含めて何人かいたので、そのメンバーの思いを感じながらジャージーを着ました。

――その中で得られたものを教えてください
 プレー面でいったら、1番と2番はスクラムとか、リフティングとか全然違う。完璧ではないが練習したらできるようになりました。メンタル的なことは、慣れていないんで1番で試合に出るということが怖かった。何でもやってみようというチャレンジ精神は身に付いたかなと思います。

――遠征を通して、日本の選手も含め同世代のトップ選手とプレーして得たものは何ですか
 皆が皆そうというわけではないんですけど、その日の練習とか試合を終わったらすぐ見る。それでこの時はこうやったな、というのを個人でしっかり総括している選手が多かった。そういうところは見習うべきだと思ったので、今はその日の練習はその日のうちに見て、自分なりに悪いところ、良いところを見つけるようにしている。

――特に刺激を受けた選手はいましたか
 堀越とかですかね。ラグビーに対してすごく貪欲というか、プレーでいったらボールをもらいに行くスピードとか、体を当てる技術とか自分に無いものを持っている。メンタル的にも、しっかりキャプテンをやっていてプレー中も声を出す。外から見ていて、自分が試合に出た時にあれだけ声を出して体を張り続けられるかと考えたら、自分にはまだできないかなと思いました。

――過去には高校日本代表にも選出される等、実力を評価されていることは間違いないと思います。ですが高校日本代表では北林選手(帝京大)、今回は堀越選手らに阻まれて代表での正ポジション獲得には至っていません。代表に選ばれた中で、試合に継続して出場できない要因は何だと考えていますか
 高校の代表の時もコーチに「朴はディフェンスが駄目」と言われた。そこは変わっていないのかなと思います。セットプレーはいいけど、みたいな。言われているのは同じことですね。高いレベルで戦う時にディフェンス面がネックになってしまっている。

――課題であるディフェンス面はどう改善していこうと考えていますか
 相手との間合いが遠いのにタックルに行こうとしてしまう。まずは寄って体を当てるとことから。寄って体を当てることができたら、低くなれる。まずは寄って体を当てることを意識していく。

――話は変わりますが、明治ではHOをやるということで間違いありませんか
 PRという話もちょっと出ている。PRとHO両方やるかもしれない。

――明治でPRをやるという話になったのはいつからですか
 こっち帰ってきてから小村さん(淳ヘッドコーチ=平4政経卒)に「お前PRやってみるか」と言われた。PRに挑戦することで、自分がここで試合に出られるならやってみたいと思った。やってみます、ということで今練習はしています。

――現段階ではHOに加えてPRも挑戦していこうという感じですか
 はい。そんな感じです。

――今季の目標を教えてください
 いつでもそうですけど、何番でもいいんでAの試合に出ることです。

――ご自身をどういう選手であると自己分析していますか
 強みは絶対にセットプレーなんで。それとディフェンスはちょっと苦手で、それくらいしか思い浮かばないです(笑)。

――ストロングポイントを教えてください
 HOとしてスローイングは自信がある。強みはそこ。ただ、ばてた時のスローイングがたまに乱れる。今、練習終わりにスローイングの練習とか、スクラムの姿勢の練習とかをやっている。しんどい中でも常に同じプレーができる、そういうところをもっと強みとして伸ばしていきたい。

――課題は何であると考えていますか
 やっぱディフェンス(笑)。ちょっと力んでる感があるなと思うので、もっとリラックスすることですかね。リラックスして相手に近づいて、力抜いて相手の下に入る。練習終わりで誘って、誰かタックル受けてくれへん? みたいなそういう練習はしています。

――明治でもU20でも、何か首脳陣の方にアドバイスされたことはありますか
 ジャパンのコーチには踏み込みが遠いと言われました。飛び込まないことと、まず体が行っているんで、まずは足を付いて体を当てに行く。結局は近づくということですね。

――目標の選手は中村駿太主将(商4=桐蔭学園)とのことですが、具体的にどういったところを目標にしていますか
 ゲーム中すごく落ち着いているのと、アタックもディフェンスも体を当てているし激しい。セットプレーも安定している。全てにおいてレベルが高いので目標にしています。

――目指すプレーヤー像を教えてください
 今の自分には正直、器用さというものは無い。駿太さんみたいに、裏に出てオフロードぽんとかは厳しいというか、苦手。ボールを持ったら絶対ゲインするとか、ディフェンスだったらビッグヒットはなくても確実に倒す。そういうことができるようになりたい。

――昨シーズンの振り返りをお願いします
 春は調子が安定していて良かったんですけど、菅平で急に太って、最後の立命館戦で全然いいプレーができなかった。その辺から下のチームに落ちていった。そのまま今までずるずる来てる感じ。菅平の立命館戦はスローイングも良くなかったし、走れてもなかった。さっき自分の強みと言っていたんですけど、そういうところで綻んだら駄目。そこをもっと確実なものにしないといけなかった。そういうことを感じたシーズンでした。

――先ほどPRでの出場も考えているとおっしゃっていましたが、やはり選手層は厚いです。その中でどうアピールしていきますか
 常にどんな試合でもスクラムは絶対押すし、どんな状況でもスローイングはミスしない。1番やったら、他の1番は重いので、他の1番より走る。

――ありがとうございました。

◆朴成浩(ぱく・そんほ) 政経2 大阪朝鮮高級学校出 175cm・102kg
安定したスローイングが最大の武器。本来のポジションであるHOに加え、今季はPRにも挑戦する予定だ。課題であるディフェンスを改善して初紫紺を目指す。趣味は映画鑑賞。最近観たのはサイコスリラー映画『SAW―ソウ―』。2013年度高校日本代表。2015年度U20日本代表。

[柴田遼太郎]


●俺だ。のバックナンバー

ニュース
 
 この記事へのご意見はこちらからお寄せください。
 今後の明大スポーツ運営への参考にさせていただくほか、ご意見としてご紹介させていただく場合もございます。
 ※必ずEmailアドレスをご入力ください。
 ※htmlタグなど、一部本文中にご利用できない記号がございます。
Email: