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山の記録達成を支える


山俊『1』〜未知への挑戦〜  (4)「記録を達成してほしい、達成させたい」 善波達也監督インタビュー  

 東京六大学リーグ通算127安打。48年前に高田繁氏(昭43農卒)が打ち立て、幾多の名選手が超えることのできなかった記録を約半世紀の時を経た今年、山俊外野手(文4=日大三)が塗り替えようとしている。4年春までに積み重ねた安打数は117本で、新記録樹立まで残り11本。これまで1シーズン平均約17安打を放っており、通算127安打超えは射程圏内だ。「何でも1番になる」と志願した背番号『1』。そして見据える先はまさに、未知の領域。伝説を作る日は刻々と近づいている。

 記録への思いは指揮官も同じだ。山を1年春から起用し続けた善波達也監督。常に山の状態を見続けて指導し、才能を大きく開花させてきた。さらに背番号や日常生活の面でも、記録への意識付けをさせた。ここまで育ててきた善波監督にとっても、偉業達成への思いは特別なものがある。(この取材は9月6日に行われたものです)

――山選手が通算117安打を放っていますが、この数字に関してはいかがですか
 この春にもう少し打っておきたかったですけれどね。もう5本でも打っておきたかったですね。更新まで残り11本と微妙な数字になってしまいましたけれど、今まで通りのシーズンをやれば127本を抜くことにはなると思います。やってくれるとは思いますが、簡単な数字ではないです。相手投手のこともありますし、山自身の精神状態とかも関わってきます。

――山選手を1年次から起用していましたが、当時はどういった点が優れていましたか
 バットを振る力があったのが一番です。振る力があるのは技術的に一番いいところだと思いますし、山は振れたので使いました。

――1年次に36安打しましたが監督としてはこの頃から安打数の意識はしましたか
 そうですね。最初はレギュラー扱いをしていなかったです。他の外野手がスタメンで出て打てなかったりして下げて、そこに山を入れてという形でした。山がそこで1本、2本打ったりして、じゃあスタメンで使ってみようと。そうすると山が何かやらかすから、スタメンを外したりしました。外して出た代わりの外野手がまた打てないと、じゃあやっぱり山を入れるかとなって、そこでこつこつと2本くらい打ったりしましたね。山はそういう運みたいなものがあるのでしょう。1年生の頃もやがてレギュラーという形になって春に20本、年間で36本打ちました。1年生でこの数字なので、これを残り3年間、4倍したら大変な数字になるなと思いました。

――2年次は1年次に比べると数字が下がりました
 2年生の頃はもうレギュラー扱いでした。でもあまり成績が良くなかったりしました。同じチームと対戦する中で攻められ方が厳しくなって、技術的にまだまだな部分もあり、そこにもう一つ対応しきれなかったことがあったと思います。それでも春と秋で13本ずつヒットを出し続けられたことで、今の位置にいられると思います。今もそうですが、当時は試合数が多いチーム(2013年春に16試合)でした。もちろん山が良いところで打って試合数が増えたこともありましたし、試合数が多く、それを利用してこの数字になっているのもあります。そういう巡りあわせもありますね。例えば今の山の通算打率は3割2分で、そこだけ取れば安打数を争っている立教の大城君の方が良いですし。
 
――3年次は100安打を達成しましたが
 3年生の時は技術的な部分が上がってきたことはありました。それに加えて、100安打という数字を意識しながら進んでいった方が山の集中力にもつながるかと思い、昨年は春に100安打まで残りの本数の「38」、秋に100安打を超えろと「20」を付けさせて背番号で意識させました。

――4年生となって安打について山選手に意識させている部分はどんなところがありますか
 最後はいろんなことを成し遂げようということで背番号「1」を付けさせています。他に、今年の春は僕のスパイク磨きをさせたりして「その時間だけは今日言われたことを思い出せ」と言っていました。この夏、8月初めくらいからは山にトイレ掃除をさせています。きっと良いことがあるからと。普段は当番制で掃除場所を回していますが、一つ前のトイレ掃除の当番がたまたま山になっていたみたいで「ずっとそこでやってろ」と言いました。
 安打記録に関しては最後は神頼み的なところもありますし、山自身も近づいてくるとそういう気持ちになると思います。ずっとトイレをきれいにすることで、何か少しでも良いことがあればという神頼み的な感覚ですね。汚いところをきれいにすれば良いことがあるよという感覚でやらせています。このシーズンが終わるまで、さらには野球部を卒業するまでね。そのうち絶対良いことがあるからと言っています。

――試合中に山選手へアドバイスすることはありますか
 練習試合では山自身でも打撃について考えないとだめだから、ほったらかしておくこともあります。山が僕のところにちょろちょろと来て「バッティングどうなっていますか」と聞いてくることもあります。普段は考えさせないといけないですが、リーグ戦ではベンチからアドバイスを言ってばかりですね。

――山選手がここまでの3年半で一番成長した部分はどこですか
 もともと振る力はあったので、成長したのはバットコントロールですね。そこの部分は4年間で成長したところだと思います。まだタイミングの取り方が下手な部分があるので、そこは何とかしたいです。いい感じにできていて、それでやり続ければいいのにすぐ忘れてしまうので。だから試合中は山に向かってベンチから合図をするとか、忘れるなよと言ったりしています。
成長とは違いますが、ここまで大きな故障でシーズンに出られないことがなかったので、そこは山自身がご両親に感謝した方がいいところです。

――最後に山選手が記録を更新することへの期待はいかがですか
 とても大変な記録で、今まで更新されていない期間が長い記録です。高田さんのその記録を更新するのは、明治の後輩が最も良いと思っているので、山には何とか今まで通りやってほしいです。僕も一打席ごとに合図を送りながら。記録更新を達成させてあげたいし、達成してほしいという気持ちはあります。山にやり遂げてもらいたいし、自分自身もやり遂げたいという気持ちです。

――ありがとうございました。


 次回の特集は9月14日(月)「記録を争うライバル 大城滉二選手(立大)インタビュー」です。


[森光史]

●山俊『1』〜未知への挑戦〜のバックナンバー

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