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責任とリバイブ  (9)植木悠治 進化したスクラムで不動の1番へ  

 
 第9回は植木悠治(政経4=常翔学園)。明治、不動の1番だ。運動量という武器に加えて、今季は苦手だったスクラムを強化。ここまでAチームの試合全てでスタメンを張るなど、セットプレーを生命線とする中村組を文字通り最前線で支えてきた。一本気なプレーは往年の「明治のFWらしさ」をも漂わせる。

中村主将、植木、塚原の強力フロントロー<
中村主将、植木、塚原の強力フロントロー
スクラム
 1番。昨季は勝木来幸前主将(平27営卒・現神戸製鋼)が君臨していたポジションだ。植木は昨季、対抗戦、大学選手権ともにスタメン出場は一度も無い。その大きな理由はスクラム。運動量には定評があったが、首脳陣に言われたことは「スクラムがもう少し組めないとリザーブに入っても交代で使えない」。過去には同じ理由で候補となっていたU20日本代表から落選していた。
「スクラムを頑張れとは昔から言われていた。自分がもう一段階上に上がるためにはスクラムを強化しないといけないとは分かっていた」
 スクラム強化は植木にとっての至上命題だった。
 転機は中村組の始動。主将を務める中村駿太(商4=桐蔭学園)が「今年はセットプレーとブレイクダウンにこだわっていく」と何度も繰り返した。チームの方向性に合わせる形で、自然と植木もスクラムにフォーカスしていった。また勝木前主将や松波昭哉(平27政経卒・現クボタ)らが抜け、単純に出場機会が増えたことも理由の一つだ。スタメン出場を重ねることで、大学トップレベルの実力をつかんだ。
同志社戦ではサヨナラ認定トライを奪った<
同志社戦ではサヨナラ認定トライを奪った
さらにトップリーグの練習へ出稽古に行く機会も増え、以前まではおぼろげにしか捉えられていなかった日本トップレベルの実力を、そして自身の現在地を肌で感じた。
「今年は1番を任されて、体幹トレーニングやトップリーグとの合同練習で一つ一つ、自分がどうなのか、どうしていけばいいかというのを聞いて積み重ねてきたのが今につながっていると思う」
 成果は表れた。6月の同志社戦。関西最強との呼び声も高い同志社FWを相手にゴール前でスクラムを選択し続けた。最後はペナルティーを誘い認定トライ。さらにトップリーグのサントリーとの合同練習では明治が押す場面もあった。
「同じチーム内で組むのとトップリーグと組むのでは違う。チーム内で組んでいた時は上手くいったこともトップリーグと組んだら上手くいかなかったりとかする。そこで問題点が見つかった時に、駿太と話してどれだけ修正できるか。修正できなかった時は持ち帰って、次トップリーグとやるまでにビデオとかを見て研究する」
 確かな手応え。苦手意識を持っていたスクラムだが、今では引っ張る立場であるという自覚も生まれた。
「同じ学年の須藤(元樹・文4=国学院久我山)、塚原(巧巳・政経4=国学院栃木)がケガをしてしまった分も自分と駿太がしっかりスクラムを引っ張っていかないといけない。昔よりかは絶対に押せる、強くなってきたことは自覚している。これを継続してシーズンの一番深いところにピークを持ってこられるようにしたい」

インタビュー中柔和な表情を見せる植木<
インタビュー中柔和な表情を見せる植木
勝木来幸
 植木の最大の特長は運動量だ。「体はPRなんですけど、動きがPRじゃない」と語るのは同ポジションの後輩、久原綾眞(政経2=佐賀工)。ブレイクダウンからキックチャージまでグラウンドを縦横無尽に駆け回り、その運動量は試合終盤になっても落ちない。いかにボールを持っていないところで働けるか。そこに植木はこだわる。
 そして「声」。試合中、積極的に声を上げチームを鼓舞する。特徴的な高い声は観客席までゆうに届く。「PRは体が重いんでどうしても他の人よりすぐに疲れると思うんですけど、それでも自分から引っ張ろうとしている」。再び久原の弁だ。植木は言う。
「プレーでもそうだがプレーじゃないところでも声を出していくのが僕の役割かなと。そこは意識して、高校からやってきている。周りのテンションも上げられるし、何より自分のテンションも上げられる」
 目標とするのは勝木前主将だ。セットプレー、ワークレート、ボールキャリー、メンタル面。総合力の高いPRを目指す。
「勝木さんは、ラグビーの時はプレーで体を張る熱い人。付いていこうと思える人だと自分は感じている。気持ちが強くて一つ一つに対してのエフォートがすごい。高校からずっと見てきている。
積極的にチームを盛り上げる<
積極的にチームを盛り上げる
自分が明治に来たのも勝木さんがいたというのもありますし、こういうプレーをしたいと思えた」
 ここまでチームで唯一、Aチームの試合全てでスタメン出場を果たすなど、1番のポジションを確固たるものにしている植木。その愚直な姿は、明治そして常翔学園の先輩である勝木前主将にも重なる。

 前節の立大戦は、チームの生命線であるセットプレーは完ぺきとは言えず。特にスクラムは効果的なプレッシャーを掛けることができなかった。
1番の背中は大きい<
1番の背中は大きい

「メンバーが変わったのもあるんですけど、やっていることをメンバーが変わってもできるように。1週間しっかりやり直して、やっぱりセットプレーから崩していけたらいいかなと思います」
 この先のシーズンもスクラムにこだわっていく。

◆植木悠治(うえき・ゆうじ) 政経4 常翔学園高出 180cm・113kg
運動量と声でチームを引っ張る。苦手としていたスクラムを強化した今季、1番のポジションを確固たるものにしている。2011年度高校日本代表。2013年度U20日本代表候補。

[柴田遼太郎]

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