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俺だ。  (10)田中充洋副部長  伝統を継承し紫紺を伝える陰の立役者  

紫紺を支えるのは俺だ。レギュラー選手はもちろん、ディベロップメントチームの選手やスタッフ、首脳陣、OB、ファンに至るまで、様々な人間の力が明治を頂点へ押し上げる。全ては大学選手権優勝のために。「俺だ。」では、明治復活に力を尽くす個人を取り上げる。
第10回は田中充洋副部長(昭60営卒)。現在は副部長を務め、経営学部の教員という立場からも明治ラグビー部を見続けている。過去には監督としても力を注いだ。明治に限らず他大学のコーチなども務め、様々な立場を経験したからこそ見える、ラグビー部の今について伺った。

――副部長の役割について教えてください
グラウンドでは丹羽監督(丹羽政彦監督・平3文卒)や小村ヘッドコーチ(淳ヘッドコーチ・平4政経卒)をはじめとするコーチングスタッフがフルタイムでやってくれているので、私はそのサポートをしています。例えば学生たちの生活のことや施設のことなど、学校と現場の橋渡しです。選手のリクルートのことや施設の整備のこと、ラグビー協会や他大学との交流の際のパイプ役になるなど学外のことも本来の仕事だと思っています。OBでもあり、監督も経験して今は教員でもあるので少し中途半端な立場とも言えます。今は監督をはじめとするスタッフが本当に良くやってくれているのでゆっくり見ています。困ったら相談してほしいとは伝えていますけど、そんなに難しい話も出ていないです。

――グラウンドに行くことは多いですか
今はほとんどないです。コーチ陣に任せています。もともと監督をやっていた時期もあるので、あまりグラウンドに行き過ぎてしまうと現場のコーチ陣に気を遣わせてしまうこともあると思うので。

――選手とのコミュニケーションはどのようにされていますか
練習はみんな努力して上達するためにやっていることなのでその時目についたことは言うけど、あまり細かいことは言わないです。本当に気になることはコーチに言うこともあります。後は、自分のゼミに煕(田村・営4=国学院栃木)や田中健太(営4=大阪桐蔭)、桶谷(宗汰・営3=常勝学園)、成田(秀平・営3=秋田工)、鶴田(馨・営2=筑紫)など多くのレギュラーがいるので学校で接する機会も多いです。彼らには厳しいことも少し言いますね。試合は毎回見に行っているので、気になったことや将来こうすると良いよということを言います。

――監督も経験されていますが、副部長という現在の立場で大切にしていることはありますか
大六野部長がいるので、現場と部長の間に入るということが1番だと思っています。10年以上いろんな形で部に携わっているので、まず目的は大学日本一になることだけど、そのために目につくことは整備の面などでも多いです。その都度考え、話したり行動をしたりしています。短期的な目標と長期的な目標を立てています。

――OBとしてはどのような立場ですか
OBの中でも一番現場に近いところに長くいるのかなと思います。チームの成長を他の人よりも気にして見続けているのかなと。OBの人たちも多分田中は知っているだろうと思っていると思うのでそれに答えられるようにしておきたいと考えています。

――副部長の現役時代と比べて今のラグビー部はいかがですか
今ほど専門の指導者もいなくて、トレーニングのシステムもしっかりしていませんでした。とにかくいつもグラウンドに北島先生が目を光らせていて、全員がそこで練習をしていました。練習も試合形式ばかりで、ずっと紅白マッチや1軍対2軍、2軍対3軍…と練習試合の連続で上達していきました。印象に残っているのは合宿所生活で、8人部屋で過ごしたことです。各学年2人ずついて、下級生の時はやっぱり大変なこともあったし、上級生になればできるだけ部屋の雰囲気が良くなるようにと考えていました。部屋のメンバーで食事に行ったり遊びに行ったりするのは当時からありましたよ。オフの日に部屋対抗でソフトボール大会をしたり、出かけたりして良い合宿所生活でした。

――今と変わらないところはどこですか
やっぱり明治のラグビーには例えばFWの動きの流れなど受け継がれているものがあること。春シーズンは何となくぼやけていて理想的なラグビーを探しているけど、深まってくると明治のDNAのようなものが湧き出てきてそこに固執する様になってきます。そこに伝統が残っているのではないかなと。プレースタイルを追求していくことは受け継がれています。それが伝統校らしさだと思うし、ファンの人たちも求めていると思います。

――今年の明治はいかがですか
大学ラグビーは社会人と違って毎年4年生が卒業していきます。1年間を6期くらいに分けて見ていて、最初は4月から試験前まで、試験期間の7月が第2期間、夏合宿が第3期間で今は4番目の期間となっています。それは対抗戦が終わるころまで。5番目が最後のシーズンで6番目はオフ期間。1年間をそうやってみているのが、3つ目まで良い状態で来ています。チームや個人の出来をチェックしているので、ここからはコーチングを含めたチームの総合力の試合が1月の決勝まで続くんじゃないかなと考えています。今は勝った、負けたということよりも何ができたかということを重視しています。この前の筑波大戦も良い例で、1対1はできているかとか、2対2になったらどうかとか、出ていない選手が復帰したらどうなるかとかを見ています。

――4年生を中心に実力をつけていると思います
主将の駿太(中村主将・商4=桐蔭学園)は、小さいころからお父さんが明治の試合に連れてきていて、ずっと明治のラグビー部がどんなものなのかを見て、聞いていると思います。そういう意味でもキャプテンに適任だと思います。FWは良くなっているのであとはBKがどれだけFWを助けてあげられるかですね。田村に頼り過ぎていると思うので、田村が調子悪い時もうまくやっていけるようにしないといけないです。

――選手たちに期待することは何ですか
選手たちには明治らしいラグビーをしてほしいです。明治のラグビーをずっと見ている人には明治らしさが分かると思うので。見ているファンの人たちに感動して拍手をいただけたら良いなと思います。そのために最後までまだ期間があるので選手たちには「みんなが注目している」と発破を掛けますよ。

――体育学修士、医学博士を持っていますが、サポートとしてラグビー部に関わることを見据えてのことだったのですか
筑波大の大学院に行ったのは、明治に限らず生涯スポーツを教える立場に携わっていられたらなと小さいころから考えていたので行きました。医学博士は、スポーツをやったり指導したりしている人たちがもう少し医学に寄ってこないとだめで、完全に勝敗を決めるわけでなくても知識を持っていることは大きいこと、医学界とスポーツ界がもっと寄って行かないと日本のスポーツは強くなれないということを弘前大学の教授に教えていただき、取りに行きました。

――筑波大や成蹊大のコーチなども経験していますが、明治ならではの強みは何ですか
明治はこういうラグビーをしなくてはいけないというスタイルがるので、そこから逃げてはいけないということです。例えば筑波大なら新しいラグビーのスタイルを試験的に試すことができます。いろいろ模索してチームを作っていますね。成蹊大は強いチーム相手にどれだけ点差を詰めて試合ができるかというゲームマネジメントをしています。がっかりするような試合にならないようにどうしたら良いかということを指導していました。

――明治にはスポーツ学部がないことについてどう考えていますか
スポーツ学部をつくって体育会の選手が所属するようにすると、競技に集中できるというメリットもあると思います。けど、一方でいろんな学部の学生と一緒に生活をし、応援してもらうなどの大学の一体感、アイデンティティのようなものを生み出すためにはいろんな学部に部員たちが所属していることは良いことだと思います。僕も卒業して30年経つけど明早戦などでラグビー部でなくても明治のOB、OGの人々が応援に来ていて同級生に声をかけてもらったりするのはうれしいなと思いますね。学校から離れているので、学生たちが授業に出るのが大変だとも感じています。もっともっと練習したり体をつくったりしなければいけないので。時間が取れていないというのは現状としてあります。

――明治には毎年花園出場経験者など華やかな経歴を持っている選手が入部してきます
高校は高校なので、大学では1つステージを上げたところで謙虚に努力していかないと通用しないです。強くなるためには自分の良いところを伸ばして欠点を減らさないといけないと思います。一人一人の総合力の積み重ねが15人の力になると思うので。高校では足が速いとか体が大きいとかキックが蹴れるということで通用する部分もあるけど、大学は違います。それから、明治のスタイルを追求して完成させることと、他の大学とやって活躍できるかということは違うとも言えると思います。明治同士で練習しているけど、試合は明治同士では行われないので、明治とは違うスタイルの相手と戦う時に活躍できるかが大切です。

――取り組んでいきたいことはありますか
海外遠征です。昔は5年や10年おきに行っていたので。できれば定期的に海外遠征ができるようになればいいなと思います。僕も海外遠征に連れて行ってもらって良い経験になりました。自分の立ち位置も感じることができ、刺激になると思います。

――今後の意気込みをお願いします
大学でも応援してくれる教員や職員を少しでも増やしていきたいと考えています。活動に対して理解していただくということがサポートの強化やリクルート活動や施設のことなど全部つながっていくと思います。まだまだみんなでやっていかなくてはいけないことはたくさんあります。強化のためには相応の練習環境も必要になってきます。ただのサークルではないので、そのための資金も必要だし彼らの生活も保証していきたいです。今はラグビーも注目され始めていますし、大学全体の総合力が問われていると思います。1回明治が優勝すれば流れが変わると思います。明治は良くやっていると評価してもらえるはずです。

――ありがとうございました

◆田中充洋(たなか・みつひろ) 昭60営卒
愛知県生まれ。現役時代のポジションはSO、WTB、FB。武豊高校3年次に高校日本代表。卒業後は体育学修士、医学博士を取得。筑波大コーチ、成蹊大部長を経て明治ラグビー部では部長と監督を務めた。選手からは「プレーについても学校生活についても声をかけてくれる」という声があり、信頼も厚い。

[江原璃那子]

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