検索
 HOME > ラグビー部

選手兼主務としてチームをまとめる


責任とリバイブ  (10)紀伊皓太 選手として、主務として 2つの「責任」  

 
 第10回は紀伊皓太(文4=日川)。今季ウイングとしてAチームに定着しながら、一方で頼れる主務としてチームをマネジメントする必要不可欠な存在だ。倒れずにプレーする執念と生真面目な性格で、グラウンドの中でも外でも身を持って責任とリバイブを体現する。

グラウンドに立つ責任
 トライ。チームでつないだ楕円球をインゴールに叩き込む、ラグビーで最も重要なプレーだ。紀伊が明治で背負うポジションは最もトライに多く絡むポジション、ウイング。紀伊が目指すのは勝利をもたらす強いウイングだ。
 昨シーズンまではA、Bチームを行き来した。
「2年生の時も3年生の時も、1個上に上がれない理由としてケガがあった。シーズンの途中で離脱して、大事なところでいないんだったらコーチ陣も使いづらいと思うしチームに迷惑」
 そこで紀伊が最後のシーズンに掲げた目標は「1年間、ケガをせずにやり切る」ということ。そこでカギとなるのが強いウイングだ。
「今年は山田(優香・管理栄養士)さんにアドバイスをいただいたり林(美紗子・トレーナー)さんたちに疲れがたまった時とかしっかりケアしてもらって、そういうところはかなり意識をしているのでやっぱりここまでケガせずにこれてるかなと」
 体調管理を第一に考え、コンディションを保ち続けてきた。さらに春、夏と例年以上のトレーニングを行い、現在1番重い時の体重は86s。昨年から筋肉量だけで6s増やし、自身の体を追い込んだ。
「相手にタックルされても簡単には倒れないで、1歩でも多くゲインできればトライにつながる」
 半年かけて作り上げた強じんな身体にケガの入り込む余地などない。
 それでも紀伊には自らが積極的にトライを取りに行くという課題が残っていた。それが原因で今年の夏合宿では1トライもできず、1度はBチームに落ちたことも。
「1トライもできなくてBチームに落ちた時、小村(淳・ヘッドコーチ)さんにもっと自分からコールしろと言ってもらった。そこで意識を変えてもっとコールするようにした」
 大事な場面でボールを任されるためには、自らのコールが欠かせない。
「ウイングとしてトライで結果を残したい」
 強い意志は初戦の立大戦で結果として現れた。前半10分に同じくウイングを務める林祥太郎(文3=常翔啓光学園)からパスを受け相手を寄せ付けず決めたトライを皮切りに前半26分にはハットトリックを達成し、試合を通して合計5トライ。チャンスの場面で積極的にコールし壁を一つ乗り越えた。
立大戦では5トライを奪った
立大戦では5トライを奪った


グラウンドを守る責任
 戦う主務。紀伊にはそんな言葉がよく似合う。グラウンドでトライを挙げる一方で、一歩グラウンドを出れば主務としての顔になり、幅広く仕事をこなしている。
「小村さんと話して練習の時間を決めることも、選手がしっかり単位を取っているかとかいつ学校にいくかとかそういうのを決めて朝やるのか午前やるのかとか決めたりするし、ウエイトの時間とかも調整したりする。選手・コーチと話して選手、他の大学とうまくパイプ役になるのが仕事」
 小村ヘッドコーチもそんな紀伊に寄せる信頼は厚く「間に入って、選手たちをリサーチして俺に伝えてくれる」とコメント。紀伊の理想の主務像に手は届いている。
インタビューを受ける紀伊
インタビューを受ける紀伊

「自分は主務という立場でリーダーとは違う。リーダーが思っていることを1番に聞くというか、チーム全体的に見て声が出てなかったら積極的に声を出して、とにかくリーダーを補佐するというかそういう風に徹することができる。今までも色々リーダーをやってきたが、自分からあんまり立候補してリーダーをやったことがなかった。自分に与えられた仕事をやるだけかなと思う」
 今年の明治はFWリーダーやBKリーダー、ラインアウトリーダーやブレイクダウンリーダーなど3、4年生を中心に細かくリーダーを置いているが、紀伊はそうではない。中学、高校と主将などのリーダー役を任されることも多かった紀伊だが、与えられた自分の役割に向き合う姿勢は常に真摯だ。
 主務の仕事はグラウンドの外が全てではない。
「慶応とか早稲田は選手をほとんど辞めちゃった人が主務をやるけど、選手相手に上から物を言うというか指示することもあるのでそういったところで明治の考え方としては、選手の気持ちを理解している人を選ぶ」
 グラウンドで聞こえる生の声が聞こえていなければ、チームをマネジメントする役割を果たし切れない。中でも紀伊はAチームで出続けている選手だ。
「今年の春、主務をやって、Aチームで出てい教職も取って教育実習も行っているが単位とかGPAだったらチームの中でも1番取っていると思う」
 笑いながらそう語ったものの、100人以上のメンバーがそろうのが明治大学ラグビー部。大学でいい成績を残しながらシーズンを通してAチームに残り続けることは並大抵のことではない。
「主務でもAチームとして試合に出れるように、グラウンドの中でも努力をするというかしっかり後輩の手本になるようにしてグラウンドでも中でも両方ともチームを引っ張るようにしたい」
 中村組の掲げるワンチームを両側から引き上げる。それが紀伊にとっての責任だ。

 昨年度の対抗戦で活躍した明治のトライゲッター・齊藤剛希(商4=筑紫)がケガで離脱中なこともあり、紀伊に懸かる期待も大きい。
「当然(昨年の)剛希以上の仕事はしないと、今年の目標を達成することはできないというのは分かっている。目標は日本一だとチームの中で決まっているしそれしかない」
 選手として、主務として。抱えこんだ2つの責任を果たした先には、日本一が待っている。

[三浦亜優美]

◆紀伊皓太(きい・こうた) 文4 日川高出 171cm・84kg
2011年度高校日本代表。

●責任とリバイブのバックナンバー

ニュース
 
 この記事へのご意見はこちらからお寄せください。
 今後の明大スポーツ運営への参考にさせていただくほか、ご意見としてご紹介させていただく場合もございます。
 ※必ずEmailアドレスをご入力ください。
 ※htmlタグなど、一部本文中にご利用できない記号がございます。
Email: