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第474号 卒業記念号

  明大スポーツ  ホイッスル

  コーラスラインという線がある。劇場の舞台上を横切る1本の白線で主役級以外はこれより前に出られない。そこに立つのは無名の脇役。ブロードウェー・ミュージカルの「コーラスライン」という作品は、その脇役オーディションに参加する若者たちを描く◆1人のダンサーはこう歌う。「履歴書を見ても本当の自分が分からない」。人混みの中で周りの雰囲気にのみ込まれて、自分を見失う。大学とはこうした葛藤と闘いながら本当の自分探しができる場所なのだろう◆この部活で記者をやっていると4年生が社会人への一歩を踏み出そうとしている瞬間を垣間見る。「就活との兼ね合いが大変で…」。不安を抱えながらも競技に全身全霊を込める姿に感銘を受ける◆美しい涙を見たのは昨年の神宮大会決勝、優勝した直後に柳裕也選手が顔を覆った時だった。プロ野球という世界を目指してきたこの1年間は毎日がオーディション。柳選手は投球の技術以上にその人間性を評価され続けてきた。それはどんな時でも揺るがない自分≠持ち続けていたからに違いない。プロでの晴れ姿を見ると、記者も少しはコーラスラインに立てたのかなとうれしい気持ちになる。ただ「取材いいですか?」がもう言えないのはちょっと寂しい◆劇も終盤、コーラスを目指す若者たちに「踊れなくなったらどうする」と審査員が問う。ここは私が一番好きな場面。「安定を望んでこの世界に入る人はいない。私たちみんな、好きでここにいる」。ダンサーは答えるように歌った◆卒業生は春から新生活を迎える。毎日がどんなにつらく、満たされることはなくても、そこは自身が選んだ道。スポットライトは必ず当たる


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