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第481号 硬式野球部齊藤ドラ1

  明大スポーツ  ホイッスル

 野球のラジオ中継を聴いていたとしよう。同点で迎えた9回裏、2死二塁。ここまで粘投しているエースに対するのは4番打者。このとき、あなたが想像したのはサヨナラ打を放つバッターか、それとも三振に打ち取るピッチャーか◆「今日本の若者には想像力が欠如している」。選挙カーに立つ候補者がこんなことを言う時代だ。想像力とは目の前に実在しない何かを見る力を意味する。欠如の原因に挙げられるのは「希望がない、コミュニケーション能力がない、言われたことしかやらない」の三つのない。私もそうだ。未来の自分が、今の自分より素晴らしくなることを想像できない◆想像力で人生を変えた人がいる。先日、ノーベル文学賞を受賞した日系イギリス人作家のカズオ・イシグロ氏。長崎に生まれ5歳で渡英。海の向こうで文学に励んだ。そんな彼の最初の長編『遠い山なみの光』に描かれているのは想像上の日本だ◆イギリスで暮らす主人公が戦後の長崎で過ごした日々を回想する物語。独特な世界観に読者も思考を巡らせる。人間の奥深さを際立たせる描き方でその後の作品でも世界の人々を魅了した。受賞後「自分のルーツは日本にある」と語ったカズオ氏。この言葉にうれしくなった日本人は多くいるだろう◆成功者は思考停止することなく、自ら変化し続け、挑戦し続ける。何気なく過ごしている大学生活。たまには心の瞳を駆使してみるのもいい。受け身になって、運命に翻弄(ほんろう)される毎日はつまらない◆今年もドラフト会議で計114名の選手が夢の舞台へ飛び込んだ。彼らはどんな未来を想像したのだろうか。待ち受けるのは結果で左右される厳しい世界。それでも野球はツーアウトから。最後まで諦めないでほしい 


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