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第481号 硬式野球部齊藤ドラ1

  射撃部  ラスト1射で仕留めた逆転 柳川インカレ有終V

  有終Vはあまりにも劇的だった。柳川由太郎主将(法4=明大中野)が全日本学生選手権のSBR三姿勢で明大勢4年ぶり優勝。頂点を決めるファイナルでは、40発目の時点で8・6点差での3位だったが、ラスト5射で1位に。奇跡の大逆転劇をやってのけた。 
 
泣き虫主将 
 最後の射を撃つ前から、涙が頬を伝った。44発目を打ち終え、暫定1位の井尻(慶大)と1・9点差。ラスト1射。「今日は45発目が10点に入ってくれたらいいなと思ったら、走馬灯のように今までを思い出してしまって」。視界がぼやけた。井尻よりも先に撃った射は10・9点満点中9・7点。9点台後半が平均の学生射撃界で、逆転を狙うには低かった。だが、井尻が6・7点と振るわず大逆転。撃った後すら、泣き虫主将は顔を覆ったままだった。 
 9月から45発目を想定し、緊張をコントロールする特訓を始めた。以前、緊張からこの1射が起こす番狂わせを見てきていた。自身も練習ではまともに10点に当たらず。そして本番も。「これで終わる射撃人生か」。それでも転がり込んだ金メダル。撃てると信じて45発目を取り組んできた。最後にほほ笑んだ射撃の神様に「45発撃てて幸せだった」と感謝を示した。 
3カ月後に 
 「今やっていることは3カ月後の自分に出る」が人生訓の柳川。しかし、今大会の3カ月前、7月の日本学生選抜大会では失格し、団体総合優勝を逃す引き金となった。その後は「拒否反応みたいに銃を触れなくなった」。原因不明の射撃への反抗期に悩まされた。失格の当日に頭を丸刈りにするなど、ただでさえ思い詰める柳川の性格。夏合宿でも状態が上がらず苦しみ、練習を1カ月休止した。 
 それでもまだ、心は完全には折れていなかった。「最後は笑って終わりたい。こういうメンタル状態でどう自分と向き合えばいいのかを試すのが楽しみだった」。やるしかないと練習に励み、9月の関東学生選手権秋季大会、SBR三姿勢で王者に。今大会でも結果を出した。丸刈りの時に発した「俺の髪が伸びるにつれて、点数も伸びていく」。3カ月後の成果は、伸びた黒髪が証明していた。
 射撃と別れを告げる。昨年度の全日本選手権ではリオデジャネイロ五輪代表の山下敏和(自衛隊体育学校)を破り日本一。進路が注目されていたが「オリンピアンよりサラリーマンで仕事ができる方がかっこいい」と、就職の道を選んだ。根底にあるのは、リクルートジョブズの社長である父・昌紀氏への憧れ。一般生から花を咲かせた柳川。サラリーマンでも一からはい上がり、いつかはオヤジを超えてやる。【木村亮】 


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