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第481号 硬式野球部齊藤ドラ1

  競走部  箱根なし 10年ぶり予選落ち ついに正月から紫紺消えた

  逆襲を誓った箱根の地にすら立てなかった。節目となる10年連続60回目の箱根駅伝出場を懸けた箱根予選会。20`のロードコースを最高12人が出走し、上位10人の合計タイムを競う。上位10校に本戦への出場権が与えられるが、順位発表で明大が呼ばれたのは13番目。会場のざわめきと同時に、伝統校は地に落ちた。来年の正月、茶の間に紫紺は映らない。 
 
判断ミス 
 甘かった。大会当日の朝、体調不良で急遽(きゅうきょ)エース・坂口裕之(政経3=諫早)が欠場。主力の三輪軌道(理工2=愛知)も5`地点での転倒から途中棄権。悲劇が重なった。それでもチームには「慢心があった」(西弘美駅伝監督)。そもそも、出走した1年生4人は20`の練習が不十分でレース経験はなし。案の定、勝負のラスト5`でペースを上げられず、1年生を含む7人が三桁順位。たった2・5`で3校に抜かれ13位となった。また、予選通過圏内との差は2分31秒。仮に三輪が万全だったとしても、逆転できたとは言い切れない。「私の反省」(西駅伝監督)。判断ミスに気付いた時はもう遅かった。
穴の世代 
 自主性の限界=B10年以上前から言われてきた。基礎練習は自分で考え、本練習も体の状態に合わせて変えていく。能力の高い選手はこの環境でも高めていけるが、全員がそうではない。やみくもな練習でケガを繰り返し、くすぶったまま終わる悪循環もあった。そして、4年生がその象徴だった。いつまでたっても穴の世代≠ナ、今年は関東インカレや予選会など主要大会に誰一人出場していない。今大会でも末次慶太主将(理工4=山口県立西京)以外は実力でエントリー漏れし、代わりにルーキーを走らせる体たらくぶり。また他大学を見ても、過去10年間4年生不在で予選通過したチームはゼロ。最上級生の頼れる走りは不可欠だった。
 今年最初で最後の駅伝を迎える。箱根予選会後には急遽16時から全体練習を実施し、翌日には末次が6カ月ぶりの復帰。3週間後に迫った11月の全日本駅伝に向けて早速スタートを切っている。「死に物狂いでシードを取る」と西駅伝監督。せめて大失態の立川から見違えた姿が見たい。 
 
『記者の目』
 このままでは来年も駄目だ。箱根予選会後に取材していてそんな不安に駆られた。エース不在、頼りない4年生、長期体制。今のチームは衰退する条件を全て満たしている。言ってしまえば、落ちるべくして落ちた。それなのに、スタッフから選手まで口をそろえて「まさか落ちるとは…」。悲しむというより驚いていたことが現状を表していた。 
 なぜ、負けたのか。答えは強豪気分だったことに尽きる。強豪校として大学駅伝を盛り上げていた3年前までと打って変わり、区間1桁ゼロ人と誰一人歯が立たなかった今年の箱根。総合18位になったにもかかわらず、選手からは焦りを感じなかった。迎えた6月の全日本駅伝予選では、坂口の日本人トップの走りで何とか予選通過に成功。もしも坂口を除いたチームの平均タイムだったら、予選落ちとなっていた。それなのに今大会では「坂口がいなくてもいけると思っていた」(山本佑樹コーチ)と根拠のない自信で事態を軽視。いざ結果が振るわないといつもの「アクシデント」を理由に、失敗から目を背けた。過去の栄光にしがみついて過信している証拠だ。
 確かに、西駅伝監督だけの管理体制に限界はあった。それでも、古豪から強豪へ引き上げた実績は変わらない。また、今年の春に旭化成から出向してきた山本佑コーチによって練習環境も改善。管理が行き届いていなかったBチームを指導することで、底上げができていた。
 問題は自主性の受け止め方だ。本来は個人の高い意識が必要な西体制。それでも「かなり緩い雰囲気」(末次)のチームでは、一体感は薄れ激しい競争もなくなっていた。また、4年生の無責任な態度がチーム状況を悪化させた。力がないことを自覚しながら「私生活面で引っ張る」と中途半端に。不満に思った下級生からは、4年生へ「自業自得」との声もあった。全く一枚岩になれていなかった。
 歓声に沸く中大を横目に選手たちは何を思っただろう。昨年夏、中大は1年生を主将と副将に立てた。異例の途中交代に一部の上級生が反発。明大が予選通過した裏で88大会ぶりに箱根出場を逃した。今年は下級生を主将にしながら、4年生が副将に就任。うまくチームバランスを取り、1年で箱根復帰に成功。失敗と向き合う姿が見られていた。
 強豪だった頃の明大は4年生を中心にどの選手ももっと死ぬ気で戦っていた。射場雄太朗前主将(平29政経卒)が大手町で放った「いつか『この経験があって良かったね』って思えるように」の真意に気付いてほしい。このまま衰退していくのか、失敗と向き合い立て直すか。箱根連続出場が始まった時から来年でちょうど10年、明大は岐路に立っている。栄枯盛衰が激しい大学駅伝界において、十年一日では廃れていく。「(自主性重視は)変えない」(西駅伝監督)にしても、月に1〜3回の全体ミーティングを増やすなり、小さいことから改善できるはず。選手もスタッフ陣も“自主性を突き通すための変化”が求められる。


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