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第484号 新入生歓迎号

  明大スポーツ  明大商学部卒 芥川賞作家羽田圭介氏インタビュー

  ――なぜ文学部ではなく、商学部を選んだのか
 単純に新人賞を取った時点(高校3年次)で、自分の生涯の職業は小説家だろうというのがありました。また文学の勉強は本を読めばできることなので、文学部を選択しなくてもいいかなと。あと、付属校ならではの「商学部の方が実利的でかっこいい」というブームがあり、商学部に行こうと決めました。どうせ身を置く文学の世界は除いて考えていましたね。でも入ってみて分かったのは、文学部は記述のテストが多いし、女の子も圧倒的に多い。文学部に入っておけば良かったのかなと後から思いましたね(笑)。

――小説家だけでなく、バラエティー番組に出演している印象も強い
 本と関係なく出た最初の番組が『アウト×デラックス』(フジテレビ系列)でした。熱狂のうちに収録が終わって、それまで専業作家として自宅でじっと書いていた生活と真逆で、単純にこの感覚面白いなと思いました。それで『成功者K』を書くためにテレビに出ようという感じで、テレビの収録現場は直接的なネタにもなりました。

――テレビの他にもさまざまなことに挑戦されている
 何かしら一つ決めて、成果が出なくても孤独に突き詰めることは必要ですけど、自分はそれしかやらないと決めるのは良くない。例えば、テレビは小説と違って無料で楽しめる娯楽です。その世界に入って、日本人の9割以上は金を払って本を読んだりしないのだと知りました。だからこそ、小説で今やるべきことが分かりました。これは他のことでも同じだと思います。

――羽田氏にとって大学はどのようなものだったか
 大学は、自分にとって居心地のいいコミュニティーに簡単に身を置きやすい。居心地のいい内輪の世界で集まっていると、万能感が芽生える。そこから就活を経てだんだん自分が狭い所で調子に乗っていたことを知って、それが剥がれていく感じとか、そういうのを経験できるのが大学時代だと思います。そういった経験は、小説を書く上でも良かったのかなと思います。

――最後に新入生へメッセージを
 大学生は勉強が必要だと言いますけど、人生のことで考えたら逆算ですよね。日本は何だかんだ学歴社会なので、明大に入ったら就職先の上限と下限は担保できている。就活の時期になったら就活について考えればいいですけど「1、2年生のうちはとにかく遊びまくれ!」と言いたいですね。あとは「小手先の就職対策はするな!」と言いたいです。ラジオ業界が好きだからラジオ局でバイトしても大体落とされる。むしろラジオ局としては違う視点が欲しいから、ラジオ好きよりも何か別のことに打ち込んだ人材の方が就職しやすかったりする。気休めで就活につながるようなことをするなら、全然関係ないことで遊んだり、世界一周とかに取り組んだ方がいいと僕は思います。

◆羽田圭介(はだ・けいすけ)2015年に『スクラップ・アンド・ビルド』で第153回芥川賞を受賞


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